中小建設会社向けに、建設業許可・決算変更届・経審・CCUSに加え、税務・社会保険・労働保険の期限を管理する年間カレンダーを解説。会社ごとに異なる決算日や許可満了日を起点に、月別の確認事項と公式の確認先を整理します。
AI搭載
コンクルーAI
中小建設会社のためのAIオールインワン業務管理ツール
顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーAIひとつで完結


建設業の期限カレンダーを作ろうとして、「3月決算なら7月に決算変更届」とだけ予定を入れていませんか。建設業許可の更新は許可満了日、経営事項審査は審査基準日、CCUSは事業者登録・管理者ID・技能者カードそれぞれの有効期限が起点です。会社ごと、人ごとに日付が違うため、世の中の月別カレンダーを写すだけでは抜けが残ります。
この記事では、2026年8月30日時点の公式情報をもとに、全国共通のルールと、行政庁や自社の日付で変わる部分を分けました。付属の deadline_rules.csv と calendar_schema.md に自社の原本日付を入れれば、推測ではなく根拠のある年間管理表を作れます。実際の提出前には、自社を所管する行政庁とCCUS画面の最新案内で再確認してください。

最初に、カレンダーへ入れる日付を3種類に分けます。ここを混ぜないことが、期限管理のいちばん大事なところです。
種類 | 例 | カレンダーでの扱い |
|---|---|---|
全国共通の法定期限 | 決算変更届は事業年度終了後4か月以内、 | 法令の計算ルールを登録する |
自社の原本日付で変わる期限 | 決算日、許可満了日、 | 通知書・カード・ |
行政庁・発注者・ | 更新申請の受付開始、経審の予約日、 | 全国ルールで固定せず、 |
「法定期限」と「準備開始日」も別物です。法定期限が30日前だから30日前に書類作成を始める、という管理では補正や証明書の取り寄せに間に合いません。配布データでは、法定・公式運用上の期限と、推奨準備開始を別列にしています。
建設業許可を受けた事業者は、毎事業年度の終了後4か月以内に、工事経歴書、直前3年の工事施工金額、財務諸表などを許可行政庁へ提出します。一般に「決算変更届」「事業年度終了届」「決算報告」と呼ばれる手続きです。呼び方は行政庁で違っても、建設業法第11条第2項に基づく年次の届出という点は共通です(出典:e-Gov法令検索 建設業法第11条)。
たとえば12月31日決算なら4月30日まで、3月31日決算なら7月末が目安になります。佐賀県も12月31日決算の例を4月30日までと案内しています(出典:佐賀県 決算変更届の提出について)。ただし、月末日や閉庁日が絡む個別日付は、提出先の最新手引きで確定してください。
決算変更届の期限は、税務申告期限や株主総会の日ではなく、事業年度終了日が起点です。税理士が作る税務用決算書とも様式が異なるため、決算確定後に建設業法様式へ組み替える時間を予定へ入れておくと慌てにくくなります。
建設業許可の有効期間は5年間です。引き続き営業する場合、従前の許可の有効期間が満了する30日前までに更新申請を行います(出典:国土交通省 建設業の許可とは)。
ここで登録する日付は、許可日を自己計算した日ではなく、許可通知書に記載された有効期間の満了日です。複数業種や許可日の一本化がある会社は、許可ごとの原本を確認してください。そもそも自社の工事に許可が必要かを整理したい場合は、建設業許可が必要な工事規模の解説も参考になります。
受付を始める時期には地域差があります。東京都知事許可は満了日の2か月前から30日前までという案内です(出典:東京都 建設業許可申請の手引)。大阪府と神奈川県は満了日の3か月前から30日前までと案内しています(出典:大阪府 建設業許可に関する申請及び届出)(出典:神奈川県 許可後の手続き)。したがって、CSVには全国共通の「30日前」だけを法定期限として入れ、受付開始日は自社の行政庁情報を追記する設計にしています。
許可満了日は日曜日などでも延びません。一方、更新申請の30日前に当たる日が行政庁の休日の場合、関東地方整備局の手引きは直後の開庁日までの提出と案内しています(出典:関東地方整備局 建設業許可申請の手引)。安全側の社内締切は、休日明けを当てにせず前開庁日に置き、提出先の扱いを確認するのが実務的です。
役員、商号、営業所所在地などの変更は、毎年決まった月に処理するものではありません。建設業法第11条第1項の対象事項は変更から30日以内、常勤役員等や営業所技術者等に関する一部の届出は2週間以内です(出典:神奈川県 許可後の手続き)。
このため、年間カレンダーに「年1回確認」と入れるだけでは不十分です。登記、入退社、配置転換、営業所の移転を決める社内手続きに、建設業許可の届出確認を組み込みます。どの変更がどちらの期限に当たるかは事項ごとに異なるため、届出前に所管行政庁の一覧表で確認してください。
経営事項審査、いわゆる経審は、国や地方公共団体などが発注する公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が受ける審査です。民間工事だけを請け負う会社や、公共工事の下請だけを行う会社に一律で年次受審を求める制度ではありません。
経審の有効期間は、結果通知書を受け取った後、その審査基準日から1年7か月です。審査基準日は原則として直前の事業年度終了日です。通知書を受け取った日から1年7か月と数えると、実際より長く見積もってしまいます(出典:関東地方整備局 経営事項審査制度の概要)。
公共工事を継続して直接請け負う会社は、前回の審査基準日から1年7か月が来る前に、新しい審査基準日の結果通知を受けておく必要があります。申請を出しただけではなく、結果通知が交付されていることがポイントです。建設業法施行規則第18条の2も、契約締結日との関係で1年7か月を基準にしています(出典:e-Gov法令検索 建設業法施行規則第18条の2)。
実務は、おおむね次の順に進みます。
関東地方整備局は、切れ目を避ける目安として決算終了後4か月以内の経審申請を案内しています(出典:関東地方整備局 経営事項審査制度の概要)。ただし、これは全国一律の申請法定期限ではありません。審査予約、決算変更届の受理、分析結果、処理日数は行政庁と申請方法で変わります。自社のカレンダーでは、現在の結果通知書にある審査基準日から計算した失効日を先に置き、所管行政庁の標準処理期間を差し引いて申請日を決めます。
2026年7月1日には経審の審査基準が改正されました。7月1日以降の申請は改訂版の手引き・様式を確認するよう、国土交通省が案内しています(出典:国土交通省 経営事項審査の主な改正事項)。この記事で期限の骨格は整理できますが、申請書式と評価項目は公開直前・提出直前に最新版を確認してください。
CCUSは「5年更新」とだけ覚えると危険です。事業者登録、管理者ID、技能者カードは有効期間も更新方法も別です。
CCUSの事業者登録は、登録完了日から5年後の登録月末までが有効期間です。実際の管理では、登録日から自己計算するより、システムにログインして表示される有効期限を原本日付として使います(出典:CCUS ご利用方法・料金)。
更新手続きは有効期限の6か月前から可能で、CCUSは処理を円滑にするため遅くとも1か月前までの更新申請を案内しています。期限までに更新しない場合はCCUSを利用できなくなるため、6か月前を準備開始、1か月前を社内申請期限として登録します(出典:CCUS 事業者更新手続きの流れと方法)。
なお、2018年4月から2019年3月の新規登録事業者には一律の初回有効期限が設定された経過があります。古い登録ほど自己計算に頼らず、ログイン画面の有効期限を使う理由です。
管理者IDは、取得・更新日から1年後の取得日の属する月末まで利用できます。公式案内では、有効期限の2か月前からIDごとの更新意思確認を行い、更新するIDについて有効期限の翌月初旬に請求書を送付します。支払期限は当初登録月の翌々月10日と案内されています(出典:CCUS ご利用方法・料金)。
ただし、実際の支払日は送付された請求書を正として管理します。登録責任者のメールアドレスや請求先が古いままだと案内を見落とすため、毎年の更新前に連絡先も確認します。
建設キャリアアップカードの有効期限は原則10年です。申請時60歳以上の技能者は15年、本人確認書類がなく所属証明で申請した技能者は3年とされています。正確な有効期限はカード券面に記載されています(出典:CCUS 技能者情報登録申請書の手引)。
2026年版の技能者向けガイダンスは、期限が切れる約半年前に更新手続きのお知らせがあるとしています(出典:CCUS ご利用ガイダンス技能者)。会社の管理表には技能者ごとの券面有効期限を転記し、6か月前に本人へ確認する予定を置きます。在留資格や資格証の更新はカード更新とは別管理です。
CCUSを安全書類・施工体制とあわせて運用している会社は、安全書類の全体像も確認すると、更新後の情報反映先を整理しやすくなります。

許可・経審・CCUSに加え、給与や従業員がいる会社では、税務・社会保険・労働保険の予定も同じ台帳で見える化すると抜けを減らせます。ただし、すべてを「毎年○月○日」と固定してはいけません。法人税・消費税の確定申告は原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内で、申告期限の延長が認められている会社もあります(出典:国税庁・法人税等の申告手続)。決算日を原本日付として登録し、税理士と確認した期限を上書きしてください。
消費税のインボイス関連にも、期限が区切られた特例があります。免税事業者からインボイス発行事業者になった小規模な会社や一人親方向けの2割特例は、2023年10月1日から2026年9月30日までの日を含む課税期間が対象で、この期間を過ぎると使えなくなります(出典:国税庁・2割特例の概要)。個人事業者の課税期間は1月1日から12月31日までのため、2026年分の申告が2割特例を使える最後の課税期間になります。2割特例の期限後に簡易課税制度へ切り替える場合は、原則として適用を受けたい課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出します。個人事業者が翌年から簡易課税を使うなら、前年の12月31日までが提出期限です(出典:国税庁・消費税簡易課税制度選択届出手続)。この期限も、税理士と自社の課税期間の区分を確認したうえで台帳へ登録してください。
一方で、労働保険の年度更新と社会保険の算定基礎届は、従業員を雇用する会社が毎年確認する代表的な年次業務です。2026年度の労働保険年度更新は6月1日から7月10日、算定基礎届の提出期間は7月1日から7月10日と案内されています(出典:厚生労働省・令和8年度労働保険年度更新)(出典:日本年金機構・算定基礎届のお知らせ)。年度ごとに日程や料率が変わり得るため、翌年度分は同じ月に公式ページを再確認します。
時期 | 主な確認 | 対象・起点 | 期限の確定先 |
|---|---|---|---|
1月 | 給与・法定調書、源泉所得税の納期特例 | 給与・報酬を支払う会社。納期特例の対象期間や提出先で変わる | 国税庁の納期限表と所轄税務署・市区町村 |
決算後 | 法人税・消費税の確定申告、決算変更届 | 会社の事業年度終了日。税務と許可は別様式・別窓口 | 国税庁、許可行政庁、税理士 |
6〜7月 | 労働保険の年度更新 | 労働者を使用する事業。建設の有期事業は集計範囲も確認 | |
7月 | 算定基礎届 | 社会保険の被保険者。資格取得時期などで対象外となる人がある | |
賞与・入退社・住所変更の都度 | 賞与支払届、資格取得・喪失、許可・CCUS情報の更新 | イベント発生日。毎年一度の点検では代替できない | 年金事務所・ハローワーク・許可行政庁・CCUSの最新案内 |
10〜12月 | 年末調整の準備、翌年1月の提出物の整理 | 給与支払の有無、自治体・税務署の案内 |
この表は「この月に必ず提出する」という断定ではなく、確認漏れを防ぐ月次の点検表です。給与がない、社会保険の適用外、労働保険事務組合へ事務委託している、申告期限の延長を受けているなどでは、予定が変わります。提出日と納付日、社内の準備締切も別の列で管理してください。
期限台帳には、原本日付・根拠URL・確認日・担当者・社内準備開始日・提出/納付完了日を1行ずつ残します。制度の内容が変わらなくても、年度ごとの案内、休日、電子申請の受付、保険料率、自治体の運用は変わることがあります。この記事は2026年9月2日に、許可・経審・CCUSの管理に税務・社会保険・労働保険の確認導線を追加しました。次回更新時も、前回記事を写すのではなく、各公式ページの確認日を更新してください。
付属の deadline_rules.csv は、個別会社の日付を入れていないルール表です。calendar_schema.md は、そのルールから自社カレンダーを作るための入力項目と計算手順です。最初に次の原本を集めます。
次に、法定・公式期限から社内締切を逆算します。たとえば許可更新なら、法定期限の30日前だけでなく、行政庁の受付開始日、書類準備開始日、証明書取得日、社内確認日を別イベントにします。経審なら、前回結果の失効日から、結果通知の処理期間、申請、経営状況分析、決算変更届を逆向きに並べます。
休日は一律に翌営業日へ動かさないでください。許可満了日は休日でも満了し、経審の有効期間切れも公共工事を直接請け負える期間に影響します。行政庁の休日処理が明示されていても、社内予定は前開庁日に置くほうが安全です。CSVの「休日処理」列には、根拠が確認できた扱いと、提出先への確認が必要な扱いを分けて記載しています。
更新申請の法定期限は満了日の30日前です。満了日の通知だけでは遅いため、少なくとも受付開始、社内確認、法定期限、満了日の4点を登録します。
起点は審査基準日です。結果通知書の「審査基準日」を入力し、前回結果の有効期間が切れる前に新結果を受け取れる工程を作ります。
事業者登録は5年、管理者IDは毎年、技能者カードは人ごとの券面期限です。管理者ID利用料を払っていても、事業者登録や技能者カードの期限管理を代替できません。
入札参加資格の定期受付・随時受付・有効期間は発注機関ごとに異なります。経審が有効でも、発注機関の資格更新が済んでいなければ入札に参加できないことがあります。配布CSVでは全国共通期限として固定せず、別台帳に「発注機関、受付期間、公式URL、最終確認日」を持たせる設計にしています。
この記事は制度記事のためTier Bです。公開前と、実際に提出する前には次を再確認してください。
この記事と配布データは一般的な期限管理を助けるもので、個別案件の法的判断を代替するものではありません。期限超過や原本の日付に不一致がある場合は、自己判断で日付を補正せず、所管行政庁、CCUS窓口、行政書士などへ相談してください。
建設業の期限管理は、月別のひな型を写すより、許可満了日、決算日、経審の審査基準日、CCUS事業者・ID・カードの有効期限という原本日付をそろえるところから始まります。全国共通のルールを掛け、地域差と運用差は公式URLと確認日を持って上書きする。この形なら、担当者が変わっても根拠を追えます。
まずは今日、5種類の原本日付を1枚の台帳へ転記してみてください。期限そのものより前に、準備開始と確認日を置く。それだけで「案内が来てから慌てる」運用から抜け出しやすくなります。