この記事は約9分で読めます。
.png&w=3840&q=75)
監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
この投稿をシェアする
下請け工事で「今月の出来高で請求して」と言われたときに使える、建設業向けの出来高払い請求書エクセルテンプレートを無料配布します。契約金額と出来高(%)を入れれば、前回までの累計や保留金を差し引いた今回の請求額まで自動で計算。書き方や保留金・インボイスの基本もあわせて解説します。
AI搭載
コンクルーAI
顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーAIひとつで完結


月末になると、元請さんから電話が入る。「今月の出来高で請求書を出しといて」——長めの工事に入っていると、一度は言われるひとことですよね。ところが、いざパソコンに向かうと手が止まる。いつもの請求書は「工事一式いくら」で出しているのに、出来高って何割で書けばいいのか。前回までにいくら請求したのか。保留金は引くのか引かないのか。ネットで調べても制度の解説ばかりで、「そのまま使えるひな形」がなかなか見つからない。
そんな声をよく聞くので、コンクルーBaseで建設業向けの出来高払い請求書エクセルテンプレートを作りました。契約金額と今回の出来高(%)を入れれば、前回までの累計や保留金を差し引いた「今回の請求額」まで自動で計算します。ダウンロードは無料、メールアドレスの登録もいりません。
細かい説明は後回しにして、先に配布します。ダウンロードしてExcelで開けば、そのまま使えます。
建設業の出来高払請求書エクセルテンプレート(無料・登録不要)
出来高請求書+原価・粗利(社内用)+設定+使い方の4シート
累計出来高・保留金・今回請求額・消費税まで自動計算
ファイル形式:Excel(.xlsx)/マクロなし・関数のみで安全に使えます
【免責事項】 本フォーマットは、ユーザー様の自己責任においてご利用ください。内容の正確性について当社は保証するものではございません。万一、本フォーマットの使用により損害やトラブルが発生した場合も、当社は一切の責任を負いかねます。
このテンプレートでできることは、大きく3つです。
ダウンロードする前に、どんな中身か写真で確認しておきましょう。全部で4つのシートに分かれていて、お客様に出すのは1枚目だけです。
A4縦1枚に収まる、そのまま印刷・PDF保存できる請求書です。工事名・契約金額を入れ、「前回までの累計出来高(%)」と「今回までの累計出来高(%)」を入力すると、出来高金額・保留金の控除・既請求額を差し引いた今回の請求額が自動で計算されます。消費税・税込額、インボイスの登録番号欄、振込先の欄も最初から用意してあります。

黄色いセルに入れるだけなので、「契約金額×出来高%はいくらで、前回までにこれだけ請求したから、今回はこの金額」という計算を手でやらずに済みます。
ここが、よくある無料テンプレートとの一番の違いです。出来高請求の累計と、実際に出ていく工事原価(材料・労務・外注・経費)を、時点ごとに横に並べて見られるシートです。「請求はどこまで進んだか」と「原価はどこまで使ったか」を対比できるので、黒字に見える工事でも資金が詰まる場面を先に察知できます。

サンプルには、粗利率が低めの状態も1件混ぜてあります。会社の中だけで使う値付けの物差しとして、遠慮なく数字を入れてみてください。お客様に渡す紙ではありません。
自社名・住所・電話番号・インボイスの登録番号・振込先などを入れておく場所です。消費税率と保留金率もここで一元管理しているので、率を書き換えれば請求書側の計算も自動で切り替わります。保留金のない契約なら、保留金率を0にすれば控除は出ません。

このほかに④「使い方」シートがあり、3ステップの手順と注意点をまとめてあります(このシートは印刷・提出には使いません)。
先にテンプレートを配ってしまいましたが、書き方に迷わないよう、言葉の意味も整理しておきます。
出来高払いとは、ひとことで言うと、工事が完成する前に、進んだ分(出来高)に応じて代金を受け取る方式のことです。何か月もかかる工事で、完成まで一円も入らないと下請けの資金が持たないため、「今どこまで進んだか」を区切りにして、その都度支払ってもらう仕組みですね。「出来形部分に対する支払」「部分払い」と呼ばれることもあります。
建設業法でも、元請けが発注者から出来高(出来形部分)に応じた支払いを受け取ったときは、その中の下請けが施工した分に相当する代金を、一定期間内に下請けへ支払うことが定められているとされています(出典:建設業法(e-Gov法令検索))。つまり「出来高で請求して」と言われるのは、下請けにとって不利な話ばかりではなく、完成を待たずにお金が回るための仕組みでもあります。
出来高払いの請求は、いつもの「終わったら一式で請求」とは順番が少し違います。おおまかには、次のような流れになります。

大事なのは、請求額のもとになる出来高%は、最終的に元請けの査定で決まるという点です。だからテンプレートも、出来高%を自由に入れ直せる作りにしてあります。査定が出てから、その数字を入れてください。
出来高払いでよく出てくるのが「保留金(留保金)」です。これは、出来高に応じた支払いのうち一部を、工事の完成・引渡しまで支払わずに留めておくお金のことを指します。契約によって設定されることがあり、法律で一律に引くと決まっているものではありません。あくまで契約や取引の慣行の中で行われるもので、率や有無、精算の時期は契約ごとに違います。
そのため、このテンプレートでは保留金率を設定シートで自由に決められるようにし、初期値は0にしてあります(取り決めがなければそのままで計算に出てきません)。保留金の取り決めがある場合は、自分の契約書を確認して、そこに書かれている率を入力してください。「○%が相場」といった思い込みで入れず、契約の中身に合わせるのがコツです。
出来高払いでも、請求書として必要な項目は通常の請求書と同じです。宛名・発行日・工事名・金額・振込先に加えて、インボイス制度(適格請求書等保存方式)に登録している場合は、「T」で始まる13桁の登録番号、税率ごとに区分した金額と適用税率、税率ごとの消費税額を記載しておくと、お客様(とくに会社を相手にする工事)が経理でスムーズに処理できます(出典:国税庁「インボイス制度について」)。テンプレートの設定シートに登録番号欄を用意してあるので、一度入れておけば毎回反映されます。
請求書そのものの基本的な書き方や、人工(にんく)代の書き方に不安がある方は、一人親方の請求書の書き方の記事もあわせて読んでみてください。
難しい設定はありません。次の順番でそのまま使えます。
明細の行を増やしたいときは、あらかじめ用意してある式入りの予備行を使ってください。それでも足りない場合は、式の入ったセルを選んで「コピーしたセルの挿入」で増やすと、計算式ごと複製されます(空の行を挿入すると式が入らず、金額が反映されません)。サンプルの工事名や数字はダミーなので、自社の内容に書き換えてお使いください。
なぜ、わざわざ原価・粗利のシートまで付けたのか。理由は、出来高払いの工事ほど「請求は進んでいるのに、手元が苦しい」が起きやすいからです。
出来高払いは、その性質上、入金のタイミングが後ろにずれがちです。保留金の分は完成・引渡しまで入ってきませんし、請求してから実際に振り込まれるまでにも締めから入金までの期間(支払サイト)があります。ところが、材料の仕入れや職人さんへの支払い、外注費といった原価は、工事が進むそばから先に出ていきます。この「出るのは先、入るのは後」のズレが大きいほど、帳簿上は黒字でも通帳の残高が細っていきます。
これが、いわゆる「どんぶり勘定の負け方」です。合計金額の大きい工事を回しているのに、原価の消化と入金のズレを見ていないと、忙しいのにお金が残らない。原価・粗利シートで「累計の請求額」と「累計の原価」を並べておくと、このズレが数字で見えるので、「この工事はそろそろ資金が薄くなる」と早めに気づけます。
工事ごとの採算をもう一歩きちんと管理したい方は、工事原価の考え方や、実行予算の立て方の記事も参考になります。まずはこのテンプレートで、1件ずつ「請求と原価のズレ」を目で見る習慣をつけてみてください。
とはいえ、エクセルのテンプレートには限界もあります。出来高払いの工事が増えてくると、こんな場面が出てくるはずです。
こうした累計管理や転記の手間を丸ごとラクにするために作ったのが、建設業向けの業務管理クラウド「コンクルーAI」です。従業員が数名の会社や一人親方の方でも、1名から使えます。工事ごとの見積・原価・請求がひとつながりになるので、出来高の累計も台帳への転記も、あちこちのファイルを行き来せずに済みます。

「まずはテンプレートで手を動かしてみる → 累計管理が手作業でしんどくなってきたらクラウドに移す」。この順番で十分です。今日はまず、無料のテンプレートから始めてみてください。
不要です。上のボタンからそのままダウンロードできます。「無料と書いてあるのに、結局アドレスを求められる」ということはありません。
マクロは使っていません。Excelの関数だけで計算しているので、「コンテンツの有効化」を求められることもなく、安心して使えます。
はい。自社の請求書として、工事名やサンプルの数字を書き換えて自由にお使いください(テンプレートそのものの再配布・販売はご遠慮ください)。
読み込んで開くことはできますが、一部の書式や印刷設定が簡易的に表示される場合があります。計算を正確に使いたいときは、Excelでの利用をおすすめします。
「設定」シートの保留金率を書き換えれば、請求書側の計算に自動で反映されます。保留金の取り決めがない契約のときは、率を0にすれば控除は出ません。契約書に書かれている条件に合わせて設定してください。
出来高払いの請求書は、ただ「今回いくら」を伝える紙ではなく、長い工事のあいだ、会社の資金がどう回るかを左右する入り口です。だからこそ、今回の請求額を正しく出せることと、その裏で原価がどこまで出ているかを一緒に見られることが、資金繰りを守る第一歩になります。
今回の無料テンプレートは、出来高払請求書と原価・粗利をセットにして、登録なしですぐ使えるようにしました。まずはダウンロードして、次の1件から試してみてください。
建設業の出来高払請求書エクセルテンプレート(無料・登録不要)
出来高請求書+原価・粗利(社内用)+設定+使い方の4シート
累計出来高・保留金・今回請求額・消費税まで自動計算
ファイル形式:Excel(.xlsx)/マクロなし・関数のみで安全に使えます