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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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元請けに許可を求められた、公共工事に入りたい——そんなときに読む建設業許可の入り口ガイドです。許可が要るかの考え方、29業種から自分の商売を見つける方法、知事許可と大臣許可の違いを手短に整理し、47都道府県の申請窓口と手引きPDFへ直リンクでご案内します。
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「今度の工事、うちは許可を持っている会社としか取引できなくてね」。元請けからそう言われて、はじめて建設業許可を意識し始めた——。あるいは、公共工事に入ってみたい、銀行に事業のことをきちんと説明したい。そんなタイミングで、多くの社長さんが「そろそろ許可を取ったほうがいいのか」と考え始めますよね。
ところが、いざ調べてみると出てくるのは、要件をびっしり並べた解説記事か、最後が「まずは無料相談へ」で終わる代行サービスの案内ばかり。「で、結局うちは要るの?どの業種で取るの?どこに何を出せばいいの?」という、いちばん知りたいところにたどり着けない。県庁のサイトを開いても、手引きのPDFがどこにあるのか探すだけでひと苦労……。そんな経験、ありませんか。
この記事は、その迷子を終わらせるための「地図」です。まず、① 自分の会社に許可が要るのかの考え方、② 29ある業種から自分の商売を見つける方法、③ 知事許可か大臣許可か、を手短に整理します。そのうえで、④ 47都道府県すべての「申請案内ページ」と「手引きPDF」への直リンクを一覧にしました。要件の細かい解説は各県の手引きに譲り、この記事は「自分の県の正しい窓口まで、最短でたどり着く」ことに振り切っています。
はじめに、ひとつだけお断りを。建設業許可は、金額の基準や手数料など、制度の数字が法令や年度で変わり得る領域です。本記事では具体的な金額の断定は避け、一次情報(法令と各県の公式ページ)で最新の値を確認できる形にしています。最終的な要否やご自身のケースの判断は、下でご案内する各県の窓口や専門家にご相談ください。
いちばん多い疑問が、「そもそも、うちに許可は要るのか」ですよね。ここは考え方の骨格さえつかめば大丈夫です。
建設工事を請け負う営業をするには、原則として建設業の許可が必要とされています。ただし、規模の小さい工事だけを請け負う場合には例外があり、これを「軽微な建設工事」と呼びます。つまり、整理するとこうです。
(出典:国土交通省)
問題は、その「軽微」の線引きです。金額による基準が定められていて、しかも「建築一式工事」と「それ以外の工事」とで基準が分かれている、というのがポイントになります。金額の数え方(消費税を含めて判定するのか、支給された材料費の扱いはどうかなど)にも細かい取り扱いがあります。この基準額は建設業法施行令で決まっており、改正で見直される可能性もあるため、ご自分の工事が該当するかは、最新の一次情報でご確認ください。
具体的には、工事1件の請負代金が500万円に満たない工事(建築一式工事の場合は1,500万円に満たない工事、または延べ面積150平方メートルに満たない木造住宅を建てる工事)が「軽微な建設工事」とされています(出典:建設業法施行令 第1条の2 laws.e-gov.go.jp )。なお、同じ工事を2つ以上の契約に分けて請け負っても金額は合算して判定され、注文者から材料の支給を受けた場合はその市場価格も請負代金に加えて数える、という取り扱いが条文に定められています。金額を消費税込みで判定する運用とされている点も、あわせて押さえておきましょう。

そしてもうひとつ大事なのが、「今は制度上は不要でも、実質的に許可が必要になる」場面があることです。町場の会社でよくあるのは、次のようなケースです。
制度上の要否と、商売上の必要性は別ものです。「今は軽微な工事しかしていないから要らない」と思っていても、取引先や事業の方向次第で、取っておいたほうがいい局面は案外早くやってきます。
逆に言えば、許可が必要な工事を許可なしで請け負うと、法律上のペナルティの対象になり得ます。「知らなかった」では済まないこともあるからこそ、まずは自分の工事が線引きのどちら側にあるのかを、早めにはっきりさせておくのが安全です。なお、「建設」と「建築」は日常では混同しがちですが、許可の世界では意味も範囲も違います。用語の整理は建設と建築の違いとは?工事内容や規模、建設許可要件などを徹底比較もあわせてどうぞ。
許可を取ると決めたら、次は「どの業種で取るか」です。建設業の許可は、工事の種類ごとに29の業種に分かれています。内訳は、工事全体をとりまとめる「一式工事」が2業種、専門的な工事が27業種、という構成です。
ここで一つ、勘違いしやすいポイントがあります。「一式工事」は、総合的な企画・調整をして工事全体をまとめる立場のもので、「専門工事をいくつも請けたいから一式で取る」という単純な話ではない、という点です。自分がふだんやっている工事が、上の27の専門工事のどれに当たるかで考えるのが基本になります。
自分の商売から逆引きすると、たとえばこんな見当のつけ方になります(あくまで代表的な対応で、実際の工事内容によって変わります)。
あなたの商売(例) | 主に該当する業種 |
|---|---|
電気工事の会社 | 電気工事 |
給排水・空調などの設備会社 | 管工事 |
内装の会社 | 内装仕上工事 |
塗装の会社 | 塗装工事 |
とび・基礎・土工の会社 | とび・土工・コンクリート工事 |
大工・木工事の会社 | 大工工事(建物全体を請け負うなら建築一式のことも) |
屋根の会社 | 屋根工事 |
解体の会社 | 解体工事 |
造園・外構の会社 | 造園工事 |
実務では、ひとつの工事にいくつかの業種がまたがることもよくあります。たとえば内装の仕事に電気の配線が少し混じる、といったケースです。こうしたとき、主たる工事に付随する軽微な他業種の工事は「付帯工事」として扱えるとされていますが、その線引きは判断を伴います。複数の業種で許可を取るべきか、付帯工事の範囲で足りるかは、各県の手引きや窓口で確認するのが確実です。
なお、「主力の業種で一つ許可を取ってから、後で別の業種を追加する」こともできるとされています。あれもこれもと最初から欲張らず、まずは今いちばん困っている(元請けに求められている)業種から取る、という進め方でも問題ありません。
もう一点。業種の正式名称は、現場での通称と違うことがあります(「内装仕上工事」「とび・土工・コンクリート工事」など)。申請では国が定める業種区分の正式名称で記載する必要があるため、上の一覧はあくまで見取り図として使い、最終的な名称・区分は公式で照合してください。(出典:国土交通省)

許可には、組み合わせで決まる2つの区分があります。ここも考え方だけ押さえれば十分です。
1つ目は、営業所をどこに置くかによる区分です。
ここでいう「営業所」は、契約などを実際に行う事務所を指します。よくある誤解が「大臣許可のほうが格上で、大きい工事ができる」というものですが、そうではありません。知事許可でも、営業所のある県以外の場所で工事をすること自体はできます。工事の場所ではなく、あくまで営業所の所在で決まる、という点に注意してください。町場で1つの県を拠点にしている会社であれば、まずは知事許可、と考えておけば大きく外しません。
2つ目は、元請けとして下請に出す金額の大きさによる区分で、「一般建設業」と「特定建設業」に分かれます。
特定建設業は、下請業者を保護するために、財産的な基礎などでより重い要件が求められるとされています。金額の基準額は法令で定められており、年度で見直される可能性もあるため、具体的な数字は最新の一次情報でご確認ください。(出典:建設業法・建設業法施行令〔e-Gov法令検索〕)
町場の会社で、自社で完結する工事や、下請の規模がそれほど大きくない工事を中心にしているなら、多くの場合は「知事許可・一般建設業」で足ります。まずはこの組み合わせを前提に、自分の県の手引きを読んでみるのがおすすめです。
「取ると決めた/自分の業種と区分も見えた」——次は申請です。ここでは細かい要件までは踏み込まず、全体像だけつかんでおきましょう。具体的な要件・書類は、下の一覧から自分の県の手引きを見るのが確実です。
許可を受けるには、おおむね次のような要件を満たす必要があるとされています。
これらの要件は、近年の制度改正で運用や呼称が見直された部分もあります。細部は年度版の手引きで最新の整理を確認してください。(出典:国土交通省)
こまかな手順は県ごとに違いますが、大きな流れはおおむね共通しています。
審査にかかる期間や、事前予約の要否も県によって違います。ここでも、頼りになるのは自分の県の手引きです。急ぎのときほど、早めに手引きで全体像を確認し、書類集めに着手しておくのがおすすめです。
かかるお金は、大きく「法定の手数料など(役所に納めるもの)」と「(依頼する場合の)行政書士への報酬」の2つに分かれます。法定手数料は、新規か更新か、知事許可か大臣許可かなどで変わります。金額は制度で定められており、納付方法も電子化などで各県ごとに扱いが異なります。正確な額と納め方は、自分の県の手数料案内ページでご確認ください。(出典:国土交通省)行政書士に依頼する場合の報酬は事務所によって幅があるため、複数の見積もりを取って比較すると安心です。
もう一つ知っておきたいのが、許可は一度取れば永久に続くものではない、という点です。許可には有効期間があり、期間ごとに更新の手続きが必要とされています。さらに、毎年の事業年度が終わるごとに決算に関する届出を出すなど、取得後も続く手続きがあります。これらを出し忘れると、更新のときに困ることがあります。期間や提出期限、必要書類も各県の手引きに書かれているので、取得後のスケジュールとしてあらかじめ押さえておくと安心です。(出典:国土交通省)
ここからが本体です。47都道府県それぞれの、建設業許可の「申請案内ページ」と「手引きPDF」への直リンクをまとめました。まずは自分の県の案内ページを開き、手引き(PDF)に目を通す——これが、要件・書類・手数料・提出先を正確に知るための近道です。
> リンクは2026年7月24日確認。改組・移転で変わることがあるため、開けない場合は各県庁サイトで「建設業許可」を検索してください。
都道府県 | 申請案内ページ | 手引き |
|---|---|---|
福岡県 | ||
佐賀県 | ||
長崎県 | ||
熊本県 | ||
大分県 | ||
宮崎県 | 案内ページ内を参照 | |
鹿児島県 | 案内ページ内を参照 | |
沖縄県 |
手引きのPDFは、県によってはかなりのボリュームがあり、スマートフォンだと開きづらいこともあります。その場合はパソコンでダウンロードして目次から必要な章だけ見る、あるいは案内ページ側にある「新規」「更新」「業種追加」といった目的別の入り口から入ると、迷いにくくなります。様式や手引きを電子申請システム経由で配布している県では、案内ページのリンクをたどると最新版にたどり着けます。
各県の案内ページは、様式のダウンロード先や、管轄する土木事務所・出先機関の連絡先への入り口にもなっています。手引きを読んでみて分からないところが出てきたら、遠慮なく管轄窓口に電話で聞いてみてください。役所の担当窓口は、申請前の相談にも応じてくれるところがほとんどです。
最後に、「自分で申請するか、行政書士に頼むか」です。どちらが正解というものではなく、状況によります。中立に、判断の材料だけ挙げておきます。
自分でやる場合の一番のハードルは、時間と、要件を「証明」する書類集めです。特に経営業務の管理責任者や専任技術者は、過去の契約書や実務経験の裏づけをそろえる必要があり、ここでつまずく人が少なくありません。判断のものさしとしては、次のあたりを考えてみてください。
時間対効果で見て、本業を止めてまで自分でやるより、頼んだほうが結果的に早くて確実、という判断は十分あり得ます。逆に、時間に余裕があり、更新のたびに自社で対応できるようノウハウを社内に残したい、という考え方もあります。申請の代行や相談は行政書士の業務範囲です。頼むと決めたら、建設業許可の取り扱い実績がある事務所に相談すると、話が早く進みます。
どちらを選ぶにしても、先に手元をそろえておくとスムーズです。一般に、次のような書類が必要になることが多いので、チェックリスト代わりに使ってください(詳細は各県の手引きで確認を)。
なお、許可を取って元請けとして工事を回すようになると、契約や現場体制の書類も本格的に関わってきます。工事のたびに交わす工事請負契約書とは?役割や記載項目、印紙、雛形、注意点を徹底解説、一定の条件を満たす工事で元請けが作る施工体制台帳とは?書き方や作成する目的・対象、添付書類を徹底解説や再下請負通知書とは?施工体制台帳との違いと書き方・提出先を解説は、早めに仕組みを知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。
建設業許可は、「自分に要るのか」「どの業種・区分か」「どこに何を出すか」の3つが分かれば、ぐっと具体的に動き出せます。この記事の使い方を、最後にもう一度整理しておきます。
そして、いちばん大事なことを。本記事の金額・要件・手数料は、制度改正や年度で変わり得るため、あえて断定を避けています。最終的な数字とご自身のケースの判断は、各県の手引き・窓口、または行政書士などの専門家でご確認ください。リンクは時間が経つと切れることがあります。開けないときは、各県庁サイトで「建設業許可」と検索すれば、たいてい新しいページにたどり着けます。
自分の県の窓口さえ分かれば、あとは一歩ずつです。この記事が、その最初の一歩の地図になればうれしく思います。