受注額は分かるのに、入金残や未払、現場ごとの粗利が別々の表にあると、お金の流れを追いにくくなります。建設業向けに、受注・入金と発注・支払を案件IDでつなぎ、未収・未払・粗利・先行支出を現場別に確認できるExcelテンプレートを無料配布。分割入金・支払の管理方法も解説します。
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受注した工事の金額は分かるのに、「まだ入っていないお金」と「先に払うお金」が別々の表にある。そんな状態では、現場ごとに利益が残る見込みなのか、入金前の支払いがどれだけあるのかを確認するたび、請求書、通帳、発注書を行き来することになります。
このページでは、受注・入金と発注・支払を案件IDでつなぎ、現場別に未収・未払・粗利・粗利率・先行支出を確認するExcelテンプレートを無料で配布します。まずは進行中の工事を数件入力し、数字と証憑が同じ案件へ戻れる状態を作るための補助台帳として使ってください。

このテンプレートは、次の6シートで構成しています。マクロは使っていません。
受注・入金と発注・支払を案件IDでつなぎ、現場別の未収・未払・粗利・先行支出を確認できます。 分割入金・分割支払は累計額を入力する方式です。
ファイル形式:Excel(.xlsx)/マクロなし・登録不要
建設業では、売上側と原価側のお金が別のタイミングで動きます。売上側は、受注して請求し、入金される流れです。原価側は、協力会社や資材会社へ発注し、請求書を受け取り、支払う流れです。
この二つを現場名だけでつなぐと、表記ゆれや似た工事名で探しにくくなります。そこで、受注・入金と発注・支払に同じ案件IDを入れます。案件IDは、同じ工事を指す社内の目印です。現場別集計にその案件IDを入力すると、売上側と原価側の金額を同じ行で確認できます。
数字だけで完結させず、次のように根拠の書類へ戻れる状態にしておくことも大切です。
流れ | 台帳で確認する項目 | 照合する証憑の例 |
|---|---|---|
受注 | 受注金額・受注日 | 契約書、注文書 |
請求 | 請求書発行日・入金予定日 | 請求書 |
入金 | 入金日・入金額(累計) | 通帳、入金明細 |
発注 | 発注金額・発注日 | 注文書、契約書 |
請求受領 | 請求書受領日・支払期日 | 受領請求書 |
支払 | 支払日・支払額(累計) | 振込明細 |
月末や締め日に状態が「遅延」「一部」となっている行を絞り込み、台帳の数字と証憑を照合します。数字を先に確定させるためではなく、どの案件のどの確認が残っているかを見つけるための使い方です。
「受注・入金」シートは1案件1行の入力表です。案件ID、現場名、受注先、受注日、受注金額(税抜)、消費税率、請求書発行日、入金予定日、入金日、入金額(累計)を入力します。黄色のセルが入力欄です。
受注金額(税込)、入金残、状態は自動計算です。状態は、入金残と入力内容に応じて「請求前」「入金待ち」「入金遅延」「一部入金」「入金済」と表示されます。入金予定日を過ぎたからといって、台帳の表示だけで相手先へ何かを判断するのではなく、請求書と約定を確認するきっかけにしてください。
分割入金があったときは、入金ごとに別行へ金額を足すのではなく、「入金額(累計)」にその時点までの合計額を入力します。たとえば一部入金があれば、前回の数値へ今回の入金を加えた累計へ更新します。請求が複数回に分かれる案件は、配布Excelの案内どおり、案件IDの末尾に枝番を付けて分けます。

「発注・支払」シートは、発注先ごとに1行を使います。同じ現場で複数の発注があれば、発注IDは分け、案件IDには受注・入金側と対応する値を入れます。発注IDは注文単位の目印、案件IDは工事をつなぐ目印という役割です。
入力するのは、発注ID、案件ID、現場名、発注先、発注日、工種・内容、発注金額(税抜)、消費税率、請求書受領日、支払期日、支払日、支払額(累計)などです。発注金額(税込)、未払残、状態は自動で計算されます。状態は「請求前」「支払待ち」「支払遅延」「一部支払」「支払済」です。
分割支払も「支払額(累計)」で管理します。振込を行ったら、振込明細と照合しながら累計額と支払日を更新します。発注金額と支払額が同じでも、請求書の受領や振込の確認が済んだことまでは示しません。証憑の保管先やファイル名を備考へ残すなど、自社でたどれる方法を決めてください。
「現場別集計」は、A列に案件IDを入力する表です。受注・入金と発注・支払の両シートから、現場名、受注額(税込)、入金額、未収、発注額(税込)、支払額、未払を集計します。その他原価だけは黄色セルへ入力します。
集計で見る主な項目は次のとおりです。
項目 | このテンプレートでの見方 |
|---|---|
未収 | 受注額(税込)から入金額を引いた残額 |
未払 | 発注額(税込)から支払額を引いた残額 |
工事原価 | 発注額(税込)とその他原価の合計 |
粗利 | 受注額(税込)から工事原価を引いた額 |
粗利率 | 粗利を受注額(税込)で割った割合 |
先行支出 | 支払額が入金額を上回る部分。 |

粗利は採算を見るための指標、先行支出は入金より支払が先に出ているかを見るための指標です。粗利がプラスでも、入金の前に支払が重なれば、手元から出るお金は増えます。反対に先行支出が0でも、工事全体の採算を保証するわけではありません。数字の意味を分けて確認しましょう。
テンプレートは、入力のルールがばらばらだと集計が合いません。使い始める前に、少なくとも次の3点を社内で決めます。
受注・入金、発注・支払、現場別集計の数字は、入力した内容をもとにした補助的な確認です。消費税率、出来高請求、相殺、留保金、分割請求などをどう扱うかは、契約条件と自社の会計方針によって異なります。入力前提が変わったときは、数式の見た目だけで判断せず、根拠の書類へ戻って確認してください。
このテンプレートは、案件別のお金の流れを見えるようにする補助台帳です。会計帳簿、工事台帳、契約書、注文書、請求書、支払記録の代わりにはなりません。
会計・税務上の税区分や計上時期、完成基準などをこの表だけで決めることもできません。会計処理は自社の方針と、必要に応じて税理士などへの確認に従ってください。契約内容や請求・支払の確定も、元の書類で確認します。
「台帳と証憑がつながっているか」をまず確認し、工事ごとの原価をより詳しく整理したい場合は、建設業の工事台帳テンプレート【無料・登録不要】原価・粗利まで見えるエクセルもあわせて参照してください。
入金・支払ごとに金額を追加するのではなく、「入金額(累計)」「支払額(累計)」をその時点までの合計額へ更新します。入金日・支払日も最新の確認内容に合わせて更新し、必要なら備考に根拠を残します。
発注先・注文単位で発注IDを分けます。案件IDは、受注・入金の該当工事とつながる値を入力します。これにより、現場別集計では同じ案件IDの発注額・支払額を合計できます。
できません。本テンプレートは会計帳簿、工事台帳、契約書、注文書、請求書、支払記録の代替ではありません。会計処理や契約条件の判断は、元の書類と自社の会計方針を確認して行ってください。
マクロは使っていません。入力欄、数式、条件付きの状態表示で構成しています。Excel以外の表計算ソフトで開く場合は、数式や表示が同じように動くかを確認してから使ってください。
建設業の発注台帳は、発注金額だけを並べる表ではありません。受注・入金と発注・支払を案件IDでつなぎ、未収・未払・粗利・先行支出を現場別に確認すると、どの工事の何を確かめるべきかを整理しやすくなります。
まずは案件IDの付け方、税込・税抜の扱い、更新する場面を決めてから、進行中の工事を数件入力してみてください。分割入金・分割支払は累計で更新し、状態が「遅延」「一部」の行は証憑へ戻って照合します。
案件IDで受注・入金と発注・支払をつなぎ、現場別の未収・未払・粗利・先行支出を確認できます。
ファイル形式:Excel(.xlsx)/マクロなし・登録不要