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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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請求書を出した後、どの工事の入金がいつ予定され、実際にいくら入ったかをすぐ確認できていますか。建設会社が工事・請求単位で予定と実績を照合し、差額や未入金を月末に引き継ぐ手順を、無料Excelテンプレートとともに解説します。
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「請求書は出したはずなのに、入金されているか聞かれてすぐ答えられない」「通帳には振込があるけれど、どの工事の分か分からない」。同じ取引先の工事が重なる建設会社では、請求書を発行した後にも確認すべきことが残ります。入金確認を担当者の記憶に任せると、未入金や差額への気づきが翌月以降になりやすいですよね。
建設業の入金管理で最初に必要なのは、高機能なシステムではありません。請求書を出した時点で「工事番号・請求番号・入金予定日・予定額」を一行にし、銀行の入出金明細と照合できる状態をつくることです。この記事では、請求後の予定登録から入金消込、差額メモ、担当者への引き継ぎまで、少人数でも続けやすい月末手順を解説します。督促や契約解釈などの法的判断ではなく、社内で事実を揃えるところまでを扱います。
入金管理は、月末に通帳を眺めて入金済みの請求を消すだけの仕事ではありません。請求した日に予定を登録し、入金があった日に実績を記録し、予定と実績が違えば理由と次の確認先を残す仕事です。
最低限、次の流れを一本につなげます。
ここでいう「入金消込」は、入金を確認した請求について、予定と実績をひも付け、残額を更新する社内作業です。単に「済」と付けるのではなく、どの明細を根拠に、誰が、いつ確認したかまで残しておくと、後から説明できます。

請求とお金に関する表が複数あると、「どの表に何を書くのか」が曖昧になりがちです。まず、3つの管理の役割を分けましょう。
管理するもの | 見るタイミング | 確認すること | 単位 |
|---|---|---|---|
請求漏れ防止 | 請求書を出す前 | 完工、出来高、追加・ | 工事・作業 |
入金管理 | 請求書を出した後 | 予定どおり入ったか、 | 工事・請求 |
資金繰り | 将来の現金を見通すとき | 会社全体で、いついくら入り、 | 会社・月 |
請求前の抜けを減らす手順は、建設業の請求漏れ防止の記事で扱っています。本稿は、その確認を終えて請求書を出した後の工程です。
入金予定が固まれば、会社全体の資金繰り表へ転記できます。ただし、入金予定表は工事・請求単位の照合台帳で、資金繰り表は会社全体の現預金を先読みする表です。目的が違うため、同じ表へ無理にまとめる必要はありません。
会計上の「完成工事未収入金」や売掛金等の計上・消込は、契約内容や会計方針に基づく処理です。この記事の入金予定表は日常の確認用であり、会計帳簿や税務処理の代わりにはなりません。正式な処理は顧問税理士・会計士へ確認してください。
列を増やしすぎると入力が続きません。最初は、次の8項目を一行に並べれば十分です。
項目 | 記録する内容 | 確認に使うもの |
|---|---|---|
1. 工事番号・工事名 | 社内で一意に決めた番号と名称 | 工事台帳、見積書 |
2. 取引先・請求先 | 発注者と実際の請求先 | 契約書、注文書 |
3. 請求番号 | 請求書を特定できる番号 | 請求書、保存先 |
4. 請求日 | 請求書を発行・送付した日 | 送付履歴 |
5. 入金予定日 | 契約・注文・請求条件から確認した日 | 契約書、注文書、合意済み条件 |
6. 入金予定額 | 今回の請求に対して入る予定の額 | 請求書、合意済み条件 |
7. 実入金日・実入金額 | 銀行明細で確認した日と金額 | 通帳、入出金明細 |
8. 差額・確認メモ | 状態、差額、確認先、担当、期限 | 照合結果、社内連絡 |
同じ取引先から複数工事を受注する会社では、取引先名だけでは照合できません。また、一つの工事で着手金、出来高、完成時など複数回請求する場合、工事番号だけでも不足します。
たとえば工事番号が「K-026」なら、請求単位を「K-026-01」「K-026-02」のように分けると、同じ工事の何回目の請求かをたどれます。番号の形式は会社ごとで構いません。請求書、入金予定表、工事台帳で同じ番号を使うことが大切です。
入金予定日は「たぶん月末」と担当者の感覚で入れず、契約書、注文書、請求条件など、取引先と確認した内容へ戻って記録します。建設工事では支払方法・支払時期や部分払等が契約内容に関わるため、案件ごとの取り決めを確認してください(出典:国土交通省「建設工事標準請負契約約款について」)。
追加・変更工事について、金額や請求時期が未確認なら、元の請求へ混ぜず「条件確認中」とします。変更内容や請負代金額等は、当事者間で書面等による確認を適切に行うことが重要です(出典:国土交通省「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」第8版)。
工事番号、請求番号、予定、実績、差額を同じ行で確認できる「工事別 入金予定・消込表」を用意します。同じ取引先の複数工事、一部入金、同一工事の複数回請求を、架空のサンプルで確認できる設計です。
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まずは今月入金予定の請求だけを登録して、銀行明細と照合してみてください。過去分をすべて入力してから始めようとすると、運用開始が遅れます。今月分で列や担当の使い方を決め、必要なら翌月から対象を広げる方が続きます。
【免責事項】
本フォーマットは、ユーザー様の自己責任においてご利用ください。内容の正確性について当社は保証するものではございません。万一、本フォーマットの使用により損害やトラブルが発生した場合も、当社は一切の責任を負いかねます。
入金消込は、担当者が気づいたときに行うだけでは抜けが出ます。月末の締め作業として、次の4ステップを同じ順番で回します。
入金予定表から、今月までに入金予定日が到来する行を抽出します。前月から残った未入金、今月発行した請求、訂正・再発行した請求が含まれているかを確認してください。
請求書の再発行や金額訂正があった場合は、古い行を黙って上書きすると経緯が分からなくなります。元の請求番号、訂正後の請求番号、訂正理由、送付日をメモに残し、どちらを照合対象にするか明確にします。
銀行の入出金明細を開き、入金日、実入金額、振込名義を予定表へ転記します。この段階では、名義が似ているという理由だけで消込済みにしません。予定額、取引先、請求番号、工事番号を照らし、根拠が揃ってから状態を更新します。
照合した人と確認日も残します。「社長は見たつもり、事務は未確認」という二重確認や確認漏れを減らせます。銀行明細の保存場所も社内で統一しておくと、後日確認するときに探し直さずに済みます。
予定額と実入金額が一致しないときは、まず「差額あり」として残します。一部入金、複数請求の合算、振込手数料等、さまざまな事情が考えられますが、明細だけで原因を決めつけません。
メモには、次の3点を短く書きます。
原因が判明したら、確認日と根拠を追記します。金額の扱い、相殺、契約解釈など判断が必要な場合は、入金管理表だけで決めず契約書を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。
予定日を過ぎても照合できない行は、「未入金」と色を付けるだけで終わらせません。請求書が届いているかを事実確認する担当、取引先へ連絡する担当、次回確認日を決めます。
たとえば「請求書再送済み、経理担当が25日に再確認」のように、次の動作まで一行で残します。法的な督促や回収判断が必要になりそうな場合は、契約書とやり取りの記録を揃え、弁護士などの専門家へ相談してください。
予定と実績を一対一で結べない入金もあります。ずれやすい場面を先に決めておけば、担当者が独自の方法で処理するのを防げます。

同じ取引先に工事Aを30万円、工事Bを50万円請求し、80万円が一括で入ることがあります。この場合、入金明細を一行だけ作って終えるのではなく、請求番号ごとに30万円と50万円を配分し、同じ振込明細から分けたことをメモします。
配分の根拠が分からなければ、予定額の組み合わせだけで決めません。「配分未確認」とし、取引先の支払通知や自社の請求担当へ確認します。
予定額100万円に対して60万円だけ確認できた場合、請求全体を「入金済み」にせず、実入金60万円、残額40万円として残します。残額をいつ確認するか、相手へ確認済みかも記録してください。
差額の理由は契約や取引状況によって異なります。「残りは来月入るはず」と見込むだけでは、資金繰り表にも誤った予定が移ります。事実と見込みを分けて書きましょう。
着手時、出来高、完成時など複数回の請求がある工事は、工事番号に請求枝番を付けます。出来高や保留金を含む請求額そのものの作り方は、建設業の出来高払い請求書テンプレートを参照してください。
入金管理では、契約上の請求額を再計算するのではなく、発行済みの各請求と実入金を照合します。工事全体の契約額と累計入金も集計欄で見ておくと、個別請求の消込が済んでも工事全体に未確認額が残っている状態を見つけやすくなります。
表の列よりも、誰がいつ更新するかの方が入金管理の精度を左右します。少人数の会社では、次の5つを社内ルールにしておくと運用しやすくなります。
締め日は「毎月末」「翌月第3営業日」など、自社の入出金明細を確認できる日に合わせて固定します。全件を会議で説明する必要はありません。照合済みは件数と金額だけを確認し、未入金と差額に時間を使います。
一つのファイルを共有する場合は、編集担当を決め、月末版を保存します。個人のパソコンに複製したファイルが増えると、どれが最新か分からなくなります。誤って式や履歴を消した場合に戻せるよう、更新前のバックアップも残してください。
工事・請求単位で入金予定が固まったら、その月別合計を会社全体の資金繰り表へ渡します。建設業の資金繰り表エクセルテンプレートでは、入金予定と支払予定を並べて将来の現金残高を確認できます。
ただし、入金予定表の金額を一度転記したら終わりではありません。一部入金や予定変更が分かった時点で、資金繰り表の入金予定も更新します。「請求した金額」と「その月に入ると確認できた金額」を混ぜないことが重要です。
請求件数が増え、同じ工事情報を入金予定表、工事台帳、資金繰り表へ何度も転記するようになったら、仕組みを見直す時期です。自動消込や会計連携を含む選択肢は、建設業の請求管理システムの記事で比較できます。
見積・請求・入金予定を同じ工事番号でつなぎたい場合は、建設業向け業務管理クラウド「コンクルーAI」のような仕組みも選択肢になります。
建設業の入金管理は、請求後の工事・請求単位の予定を、銀行の実入金と照合する仕事です。請求した日に工事番号、請求番号、入金予定日、予定額を登録し、入金があったら実入金日と実入金額を記録します。
予定と実績が違うときは、推測で消込せず、分かっている事実、確認する相手、確認期限を残してください。未入金も同じです。次の担当と確認日まで決めれば、「誰かが見ているはず」の状態を減らせます。
まずは今月入金予定の請求だけを一行ずつ並べ、月末に銀行明細と照合してみましょう。この小さな台帳が、請求漏れ防止と会社全体の資金繰りの間をつなぎます。