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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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請求書は出したのに入金が遅い、協力会社への支払いと自社への入金がズレて資金繰りが苦しい——。建設業の請求管理システムを、見積・原価との連動や入金/未収管理、インボイス・電子帳簿保存法対応という軸で整理し、主要な5ツールを同じ目線で中立に紹介します。
AI搭載
コンクルーAI
顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーAIひとつで完結


「請求書はちゃんと出したのに、なかなか入金が来ない」「協力会社への支払いは待ったなしなのに、こっちへの入金はいつも先——その差で毎月ヒヤヒヤする」。町場で建設会社をやっていると、こんな場面はしょっちゅうありますよね。工事そのものは回っていても、お金の出入りがバラバラだと、手元の現金はなかなか楽になりません。
そこで頼りになるのが「請求管理システム」です。見積から請求書の発行、入金確認、協力会社への支払いまでを一本でつなぎ、取りこぼしを減らす道具ですね。この記事では、建設業の請求管理システムとは何をするものかを整理し、失敗しない選び方の軸と、主要なツールを同じ目線で並べてご紹介します。インボイス(適格請求書)や電子帳簿保存法への対応、会計ソフト連携といった制度まわりの話も、かみくだいて解説します。
なお、業務管理ツール全体をタイプ別に見比べたい方は「建設業の業務管理ツールおすすめまとめ」の記事を、見積書づくりに絞った比較は「見積ソフト比較」の記事をどうぞ。この記事は、そのなかでも「お金の管理=請求・入金・支払」にしぼって深掘りします。
請求管理システムと聞くと「請求書をきれいに作って送るソフト」を思い浮かべがちですが、建設業の場合はもう少し広く考えるとしっくりきます。ひとつの工事で、見積を出し、材料や外注に発注し、出来高に応じて請求し、入金を確認し、協力会社へ支払う——この「お金の一連の流れ」をまとめて管理するのが、建設業の請求管理システムです。
ポイントは、請求だけを切り離しても効果が薄いということ。見積や原価とつながっていないと、「いくらで受けた工事に、いくら払って、手元にいくら残ったのか」が見えません。逆に見積・原価と請求がひと続きなら、二重入力の手間が消え、工事ごとの利益もそのままつかめます。
あわせて押さえたいのが、現場の写真管理や工程の進捗管理とは切り口が違うという点です。写真台帳や工程表のアプリは「現場の進み具合」を管理する道具で、この記事が扱うのは「お金の入りと出」を管理する道具。今いちばん困っているのは現場の管理か、お金の管理か——そこを分けて考えると、選ぶべきツールが絞れます。
「うちは小さいし、請求はExcelで足りている」という会社も多いですよね。ただ、お金を取りこぼしやすい場面は、だいたい次の3つに決まっています。心当たりがないか見てみてください。
建設業では、着手金・中間金・完了金といった分割請求や、出来高に応じた請求がよくあります。「今回はどこまで請求したか」「残りはいくらか」が頭の中とメモだけだと、請求のし忘れやダブりが起きます。1回の請求漏れが利益の目減りになるので、地味ですが痛い取りこぼしです。
元請けからの入金は「月末締めの翌々月払い」などサイトが長くなりがちで、請求書を出してもお金が入るのは数カ月先。「あの現場、入金されたっけ?」が積み重なると、回収が遅れたり、もらい忘れたりします。誰にいくら請求して、どこまで入金されたか(=売掛金・未収の状況)が一覧で見えていないと、資金繰りの見通しも立ちません。
いちばん苦しいのがこれですよね。協力会社や職人さんへの支払いは待ったなしなのに、自社への入金はサイトが長くて後回し。この「出るお金が先、入るお金が後」のズレが、黒字なのに現金が足りない、いわゆる黒字倒産の火種になります。支払いと入金の予定を同じ画面で見られるだけでも、「来月は要注意」と早めに気づけて対策が打てます。
請求管理システムは種類が多いですが、町場の会社が選ぶなら次の4つの軸で見ると迷いにくくなります。
いちばん効くのがここです。見積で作った金額がそのまま請求書や原価管理に流れる仕組みなら、同じ数字を何度も打ち直さずに済み、転記ミスも減ります。「見積」「請求」「原価」が別々のソフトだと連携でつまずきがちなので、この3つが最初からひとつになっているかを確認しましょう。
入金を確認して「この請求は入金済み」と記録していく作業を消込(けしこみ)と言います。ここが管理できると未入金の一覧がひと目で分かり、督促のタイミングも逃しません。銀行明細と突き合わせて消込を助けるタイプもあります。入金サイトが長い町場ほど、未収の見える化は大きな判断材料です。
どのシステムを選ぶにしても外せない観点です。適格請求書(インボイス)の要件を満たした請求書が出せるか、受け取った電子データを法律どおりに保存できるか。次の章でくわしく整理しますが、選定時に「対応済み」とはっきり言えるかを確認しておきましょう。
請求のデータが会計ソフトへそのまま渡せると、経理の入力がぐっと楽になります。とくに少人数で経理を回している会社ほど、ありがたい連携です。ふだん使う会計ソフトと相性がいいかは、早めにチェックしておきましょう。
「インボイスも電帳法も、対応しなきゃとは聞くけど、うちは結局何を?」という声は多いです。むずかしく考えず、請求管理に関わる部分だけかいつまんでおさえましょう。
建設業は、免税事業者(インボイスを出せない一人親方など)に外注することが多い業種です。免税事業者への支払いには、これまで一定割合を仕入税額控除できる経過措置がありました。これが令和8年度の税制改正で見直され、控除できる割合は令和8年10月1日から70%に下がり、その後50%(令和10年10月〜)、30%(令和12年10月〜)と段階的に縮小し、令和13年10月に完全に終了します(出典:国税庁「令和8年度税制改正特集(適格請求書等保存方式)」)。
つまり、免税事業者への支払いが多いほど、自社が負担する消費税は今後じわじわ増えていきます。請求管理システムを選ぶときは「取引先ごとにインボイス登録の有無を管理できるか」「要件を満たした適格請求書を出せるか」を見ておくと安心です。
もうひとつが電子帳簿保存法です。メールやクラウドでやり取りした請求書・領収書などの電子取引データは、原則として電子データのまま保存することが義務づけられています(2024年1月から。紙に印刷して保存するだけでは不可)(出典:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」)。日付・金額・取引先で後から探せる形での保存が求められるため、ここを自動でこなす保存機能があると、事務の負担も法令リスクもぐっと減ります。少人数で経理まで見ている会社が多い建設業では、制度対応をシステムに任せられるかが、そのまま負担の差になります。
ここからは、見積・原価と連動してお金まわりを管理できる主なツールを、順位づけせず同じ目線でご紹介します(掲載は社名の五十音順)。料金や対象は変わることがあるので、最新の内容は各社の公式サイトで確認してください。まずは全体像を表で見てみましょう。
製品名 | 提供会社 | 主な対象 | 料金の目安 | 導入実績(公式表記) |
|---|---|---|---|---|
アイピア | 株式会社アイピア | 建築業(リフォーム・工務店) | ライトプラン 初期費用120,000円〜 | — |
エニワン | エニワン株式会社 | 工務店・住宅会社・リフォーム会社 | 要問い合わせ(ワンプラン制) | 導入4,300社超・継続率92% |
クラフトバンクオフィス | クラフトバンク株式会社 | 職人を抱える専門工事会社 | 要問い合わせ(個別見積) | 39都道府県で利用 |
コノック | 株式会社CONOC | 工務店・建設会社(一人親方〜中小) | 月額9,800円〜 | 導入700社突破 |
コンクルーAI | 建設業(1名から) | 標準機能は手頃/14日間無料トライアル | 累計導入3,000社 |

アイピアは、株式会社アイピアが提供する建築業(リフォーム・工務店)向けのクラウド管理システムです。顧客・案件・見積・原価・発注・請求・入金・工程・物件までを一元管理でき、お金の入りと出をまとめて追える構成になっています。AI機能もベータ版で順次提供が進んでいます。料金はライトプランで初期費用120,000円〜(上位プランは要問い合わせ)。見積から入金までを1つのシステムでつなぎたいリフォーム・工務店に向いています。

エニワンは、エニワン株式会社(ナカザワホールディングスグループ)が提供する工務店向けの基幹システムです。顧客管理から工事・施工管理、見積・実行予算・発注管理、入出金管理、そして定期点検やDM配信といったアフター管理までをカバーします。Excelライクな操作感とExcel帳票の出力に対応しており、普段Excelで作業してきた会社になじみやすいのも特徴です。料金はわかりやすいワンプラン制で要問い合わせ。導入企業は4,300社を超え、継続率92%と公式に表記されています。なおWindows PCの利用が前提です。

クラフトバンクオフィスは、クラフトバンク株式会社が提供する専門工事会社向けの経営管理システムで、「利益が見える、残る経営へ変える」を掲げています。案件・顧客管理やホワイトボード式のスケジュール、工事日報・写真文書管理に加え、見積書・請求書の作成と原価管理、打刻・勤怠集計までを一つにまとめられます。職人さんの入力をLINEが通知するLINE連携があるのも、現場を持つ会社にはうれしいところです。料金は個別見積で要問い合わせ。3,000人を超える職人の声をもとに開発され、正式リリース時点で39都道府県の工事会社が利用しているとされています。

コノックは、株式会社CONOCが提供する「工務店が現場目線で作った」建設業特化のクラウドです。見積書・請求書・発注書の作成から、工事台帳での原価・売上管理、工程表・日報までを一本で扱えます。電子帳簿保存法に対応したストレージや、OCRを使ったAI見積もり、Googleカレンダー連携なども備えています。料金は月額9,800円〜と公開されており、一人親方から中小規模まで始めやすい価格帯です。導入企業は700社を突破したと公式LPに記載されています。

コンクルーAIは、株式会社コンクルーが提供する建設業向けのオールインワン業務管理クラウドです。見積・原価・工程・請求などを1つにまとめて管理でき、見積の内容がそのまま請求や原価につながります。見積AI・転記AI・工程表AI・案件入力AIといったAIエージェントを備え、入力や転記の手間を減らせます。1名から使えて標準機能は手頃な価格帯、14日間の無料トライアルもあります。少人数でお金まわりまで一気通貫で管理したい会社に向いています。
役割が少し違います。会計ソフトは「帳簿づけ・決算」が主な仕事で、工事ごとの出来高請求や見積・原価との連動までは得意ではありません。請求管理システムは、見積から請求・入金・支払という現場のお金の流れを管理する道具です。作ったデータを会計ソフトへ渡す、という使い分けがきれいなので、選ぶときに会計ソフト連携の有無を見ておくと後がスムーズです。
Excelでも請求書は作れますが、弱いのは「入金されたか」「未収がいくら残っているか」を追い続ける部分です。ファイルが増えると請求漏れや二重請求、集計ミスも起きやすくなります。請求管理システムなら、見積との連動で二重入力が消え、未入金の一覧も自動でそろい、インボイスや電帳法の要件にもシステム側で対応できます。件数が増えた、複数人で見るようになった、という段階で乗り換える会社が多いです。
相手がインボイスを出せない免税事業者の場合、支払った分を自社が仕入税額控除できる割合が、経過措置の縮小で今後段階的に下がります。つまり自社が負担する消費税が増える方向です。取引先ごとにインボイス登録の有無を管理できると、この影響を早めに把握できます。
建設業の請求管理システムは、単なる請求書作成ソフトではなく、見積・原価とつながって「お金の一連の流れ」を一本で管理するものです。ここがつながると、出来高請求の漏れ、未収の見落とし、支払と入金のズレといった取りこぼしが減っていきます。
選ぶときは、機能の多さで比べるより、自社がいちばんつまずいている場面から軸を1つ決めるのが近道です。二重入力に困っているなら「見積・原価との連動」、回収が遅れがちなら「入金・未収の管理」、制度対応が不安なら「インボイス・電帳法対応」、経理を楽にしたいなら「会計ソフト連携」。今回のツールを同じ目線で見比べて、自社のお金の流れに合う一本を選んでみてください。