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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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元請やお客様から「VE案を出して」と言われて、書き方が分からず手が止まっていませんか。機能を保ったままコストを下げるVE提案書の書き方を、材料の代替・仮設の見直し・設備の同等品という記入例3パターンで解説。A4・1枚の無料エクセルテンプレート(登録不要)もダウンロードできます。
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元請やお客様から「予算が合わないから、VE案を出してくれない?」と言われて、返事に詰まった経験はないでしょうか。
材料を別のものに変えれば安くできる、あの工程を見直せば手間が減る——現場を分かっているからこそ、頭の中にはアイデアがある。でも、それを「VE提案書」という書類の形にしようとすると、手が止まる。ネットで調べても出てくるのは「価値=機能÷コスト」といった理屈の話ばかりで、明日そのまま出せる様式と、何をどう書けば通るのかの実例が、なかなか見つかりません。
そんな方のために、コンクルーBaseで建設業向けのVE提案書エクセルテンプレートを作りました。ダウンロードは無料、メールアドレスの登録もいりません。記入例も3パターンつけたので、白紙から悩まずに書き始められます。
細かい説明は後回しにして、先に配布します。ダウンロードしてExcelで開けば、そのまま使えます。
建設業のVE提案書エクセルテンプレート(無料・登録不要)
VE提案書+コスト比較・原価粗利(社内用)+設定+使い方の4シート
現行案と提案案の差額・自社粗利への影響まで自動計算
ファイル形式:Excel(.xlsx)/マクロなし・関数のみで安全に使えます
【免責事項】 本フォーマットは、ユーザー様の自己責任においてご利用ください。内容の正確性について当社は保証するものではございません。万一、本フォーマットの使用により損害やトラブルが発生した場合も、当社は一切の責任を負いかねます。
このテンプレートでできることは、大きく3つです。
ダウンロードする前に、どんな中身か写真で確認しておきましょう。シートは大きく分けて4つ(提案書本体/コスト比較・原価粗利/設定/使い方+記入例)でできています。
A4縦1枚に収まる提案書の様式です。宛先・工事名・提案件名、そして肝心の「現行案」と「提案案」を並べ、その下に差額・品質や性能への影響・工期への影響・添付資料の欄を置いています。発注者が知りたいのは、突きつめると「いくら安くなるのか」と「それで品質は本当に大丈夫なのか」の2点です。この2つが1枚で伝わる並びにしてあります。

ここが、よくあるVE様式との一番の違いです。現行案と提案案の内訳を並べて入れると、差額が自動で計算されます。さらにその下に、社内だけで見る「この提案を採用したとき、自社の粗利がどう動くか」の欄をつけました(赤い帯で、社外には出さない旨を明記しています)。VE提案は値引きと紙一重で、根拠なく安い案を出すと、削られるのは発注者のコストではなく自社の利益、ということが起こりがちです。出す前に自社の粗利まで見えていれば、「ここまでは下げられるが、これ以上は自社が赤字になる」という線を自分で引けます。

自社名・住所・消費税率などを入れておく場所です。ここを1回埋めておけば、提案書に反映されます。率をここで一元管理しているので、消費税率などが変わっても、この1か所を直すだけで済みます。

テンプレートの使い方に入る前に、言葉の整理をしておきます。ここがずれていると、せっかく出した案が「これはVEじゃない」と突き返されてしまうからです。
VE(バリューエンジニアリング)とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」と、そのためにかける「コスト」との関係でとらえ、決まった手順で価値を高めていく手法のことです(出典:公益社団法人日本バリューエンジニアリング協会)。もともとは1947年にアメリカで生まれた考え方で、建設だけのものではありません。
ざっくり言うと、価値は「機能 ÷ コスト」で考えます。つまり、同じ機能(品質・性能)を保ったままコストを下げれば、価値は上がる。これがVE提案の芯です。「安くします」ではなく「機能はそのままで、コストだけ下げます」と言えるかどうか。ここが分かれ目になります。
VEの考え方そのものをもっと詳しく知りたい方は、VE(バリューエンジニアリング)とは何かを解説した記事も参考にしてください。この記事では、その先の「提案書としてどう書くか」に絞って進めます。
現場でよく混同されるのが、VEとCD(コストダウン)です。似ているようで、発注者の受け取り方はまったく違います。
CD(コストダウン・仕様ダウン) | VE(バリューエンジニアリング) | |
|---|---|---|
やること | 機能・仕様・グレード | 機能・品質は保ったまま、 |
例 | 塗装の回数を減らす/ | 同等品に替える/ |
品質 | 下がる | 変わらない(ここを示せるかが肝) |
発注者の反応 | 警戒されやすい | 歓迎されやすい |
発注者が警戒するのは前者です。「安くなったけれど、耐久性やグレードも落ちている」——それは値引きでも合理化でもなく、ただの仕様ダウン。VE提案書として通したいなら、「機能は落ちていない」ことを、数字と根拠で示す必要があります。値引きそのものとの線引きが気になる方は、出精値引きの考え方をまとめた記事も合わせて読むと整理しやすいはずです。
役所の工事では、VEが制度として組み込まれている場合があります。国や自治体の公共工事には、入札のときに施工方法などの技術提案を受け付ける「入札時VE方式」と、契約後に受注者からの提案で工事費を減らし、その縮減額の一部を受注者に還元する「契約後VE方式」があります(出典:国土交通省)。応札・受注する立場で公共工事に関わるなら、発注者ごとに提案の様式・締切・審査の手順が細かく決められていることが多いので、案件ごとの要領をそのつど確認してください。今回のテンプレートは、そうした公式様式のない民間工事や、社内で案を練るときの下書きとして使うことを想定しています。

ここからが本題です。「機能は保ったまま、コストを下げる」を、提案書ではどう書けばいいのか。代表的な3つの型を、記入例として用意しました。
まず大前提として、以下の金額・削減率はすべて架空の数値です。実在の製品や実際の相場を示すものではありません。あくまで「書き方の型」を見るためのサンプルとして読んでください。実際に出すときは、自社で拾った見積や実績の数字に置き換えます。
一番オーソドックスなのが、設計図書で指定された材料を、同等の性能をもつ別の材料に置き換える提案です。
欄 | 記入内容(架空のサンプル) |
|---|---|
提案件名 | 事務所改修工事における床仕上げ材の同等品への変更 |
現行案 | 設計指定のタイルカーペット(輸入品)/約120㎡ |
提案案 | 同等の防炎認定・耐摩耗等級をもつ、 |
概算差額(架空) | ▲18万円 |
品質・性能への影響 | 防炎認定・耐摩耗等級・厚みは同等。 |
工期への影響 | 変更なし(在庫品のため、 |
書き方のポイントは「品質・性能への影響」の欄です。ここに「同等」の根拠——防炎や耐摩耗などの等級、メーカー保証の年数、見た目の仕上がり——を具体的に書けるかどうかで、通るかどうかが決まります。「安い同等品にします」だけでは、発注者は判断できません。
モノではなく、段取りでコストを下げる型です。
欄 | 記入内容(架空のサンプル) |
|---|---|
提案件名 | 外部改修工事における仮設足場計画の見直し |
現行案 | 建物全周・全高に枠組足場を、工期全体を通して存置 |
提案案 | 施工範囲と工程を精査し、 |
概算差額(架空) | ▲12万円(足場リース期間の短縮分) |
品質・性能への影響 | 品質への影響なし。作業床・ |
工期への影響 | 変更なし(工程の組み替えで対応) |
仮設や安全にかかわる提案で外せないのは、「安全の水準は落とさない」と明記することです。足場やリース期間を減らす提案でも、必要な作業床や墜落防止の措置は法令の基準どおりに確保する、と一言添える。ここが抜けると、コスト以前に受け付けてもらえません。
指定された設備機器を、同じ性能をもつ別の機器に置き換える型です。
欄 | 記入内容(架空のサンプル) |
|---|---|
提案件名 | 空調更新工事における室内機の同等スペック品への変更 |
現行案 | 設計指定メーカーの業務用エアコン(能力・台数指定) |
提案案 | 同等の冷暖房能力・同等の省エネ基準 |
概算差額(架空) | ▲25万円 |
品質・性能への影響 | 冷暖房能力・省エネ性能(APF)・ |
工期への影響 | 変更なし |
機器の場合は、能力値(明るさ・風量・出力など)と、保証・省エネ性能を「同等以上」で並べて示すのがコツです。カタログの数値で1対1に比較できると、発注者も稟議を通しやすくなります。特定のメーカー名を挙げて優劣を語るのではなく、「同等スペックの汎用品」という書き方にしておくと角が立ちません。
逆に、突き返されるVE案には共通点があります。
難しい設定はありません。次の順番でそのまま使えます。
記入例①〜③のシートを見ながら、自分の案に近い型を下敷きにして書き換えると早いです。
なぜ、社内用の原価・粗利シートまで付けたのか。理由は、VE提案が値引き圧力と紙一重だからです。
「予算が合わないからVE案を」という依頼は、裏を返せば「安くしてほしい」という要望でもあります。ここで原価の裏付けなしに「まあ、これくらいなら下げられます」と出してしまうと、下がるのは発注者のコストではなく、自社の粗利だけ、ということが起こります。どんぶり勘定のまま安請け合いをして、忙しいのに手元に残らない——町場の会社で一番もったいない負け方です。
現行案と提案案、それぞれで自社の原価がいくらか、粗利がどう動くかを先に見ておく。そうすれば、「この提案なら、発注者のコストは下がるけれど、うちの粗利は確保できている」と、自信をもって出せます。VE提案は、発注者と自社の両方が得をする案でこそ、長く付き合える取引につながります。原価の中身をあらためて整理しておきたい方は、工事原価の内訳をまとめた記事も参考になります。
このテンプレートは、まず1枚のVE提案書を形にするには十分です。ただ、使い込むほど、こんな場面に行き当たるはずです。
VE提案の説得力は、結局のところ「現行案と提案案の差額を、確かな原価で示せるか」で決まります。その根拠になる過去工事のデータがすぐ引き出せると、提案の精度もスピードも変わってきます。
ここを楽にするために作ったのが、建設業向けの業務管理クラウド「コンクルーAI」です。見積・原価・請求が1つにつながっているので、過去の似た工事をすぐに呼び出して、提案の根拠として使えます。従業員数名の会社や一人親方の方でも、1名から使えます。まずはテンプレートで手を動かしてみて、手作業がしんどくなってきたら、こうした道具に移していく——その順番で十分です。

不要です。上のボタンからそのままダウンロードできます。「無料と書いてあるのに、結局アドレスを求められる」ということはありません。
マクロは使っていません。Excelの関数だけで計算しているので、「コンテンツの有効化」を求められることもなく、安心して使えます。
記入例の数字は、すべて架空のサンプルです。書き方の型を見てもらうためのものなので、実際に提案するときは、自社で拾った見積・実績の数字に置き換えてください。実在の製品名や相場ではありません。
はい。項目やサンプルの工種を書き換えて、自社の提案書として自由にお使いください(テンプレートそのものの再配布・販売はご遠慮ください)。
構いません。Excelで作った下書きをもとに、発注者指定の様式や手書きに清書しても問題ありません。大事なのは、中身(現行案・提案案・差額・品質への影響)がそろっていることです。
VE提案は、「安くします」ではなく「機能はそのままで、コストだけ下げます」を、根拠とともに1枚で示せるかどうかがすべてです。頭の中にあるアイデアを、発注者が判断できる形に翻訳する。その型さえ手元にあれば、VE案は決してハードルの高いものではありません。
今回の無料テンプレートは、提案書の様式・差額の自動計算・記入例3パターン、そして自社の粗利まで見える社内用シートをセットにしました。まずはダウンロードして、次の1件から試してみてください。
建設業のVE提案書エクセルテンプレート(無料・登録不要)
VE提案書+コスト比較・原価粗利(社内用)+設定+使い方の4シート
現行案と提案案の差額・自社粗利への影響まで自動計算
ファイル形式:Excel(.xlsx)/マクロなし・関数のみで安全に使えます