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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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材料は拾えるのに、労務費や諸経費をいくら乗せればいいか迷う——。電気工事店の社長に向けて、見積金額を材料費・労務費・諸経費の順に積み上げる考え方を解説します。仮設・配線・盤・器具付けのサンプル明細と原価・粗利シート付きのエクセルテンプレートも、登録不要で無料配布します。
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顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーAIひとつで完結


電気工事の腕には自信がある。図面を見れば頭のなかで配線が引けるし、現場に入れば手が止まることはない。それなのに、事務所に戻って見積書を前にすると、とたんにペンが止まる——。独立したての電気工事店の社長さんや、これまで見積を親方任せにしてきた方から、よく聞く話です。
材料は拾える。電線が何メートル、配管が何メートル、器具が何台。ここまでは現場感覚で数字が出ます。ところが「自分の手間、つまり労務費をいくらで載せるか」「諸経費って結局、何をどれだけ乗せるのが普通なのか」となると、とたんに自信がなくなる。結局「電気工事一式」でどんぶり勘定になり、安すぎて疲弊するか、高く出して失注するかの二択になってしまう。そこから抜け出す道具として、コンクルーBaseで電気工事用の見積書エクセルテンプレートをつくりました。ダウンロードは無料、メールアドレスの登録もいりません。

細かい説明は後回しにして、先に配布します。ダウンロードしてExcelで開けば、電気工事のサンプル明細が入った状態で、そのまま使えます。
電気工事の見積書エクセルテンプレート(無料・登録不要)
見積書シート+原価・粗利シート+設定シートの3点セット。
仮設・配線・盤・器具付けまで、数量と単価を入れるだけで小計・諸経費・消費税まで自動で計算します。
ファイル形式:Excel(.xlsx)/マクロなし・関数のみで安全に使えます
【免責事項】
本フォーマットは、ユーザー様の自己責任においてご利用ください。内容の正確性について当社は保証するものではございません。万一、本フォーマットの使用により損害やトラブルが発生した場合も、当社は一切の責任を負いかねます。
このテンプレートでできることは、大きく3つです。
テンプレートには最初から入っていますが、「なぜこの欄があるのか」を知っておくと、自社流にアレンジするときに迷いません。電気工事の見積書は、ざっくり次の3つのまとまりでできています。
まとまり | 主な項目 | 役割 |
|---|---|---|
表紙(おもて) | 見積番号/発行日/宛名/件名(工事名)/工事場所/工期/御見積金額(税込)/有効期限/自社名・連絡先 | 「誰が・誰に・どの工事を・いくらで」を一目で伝える顔の部分 |
内訳(明細) | 工事の名称・仕様(材料/施工)/数量/単位/単価/金額 | 金額の根拠。何にいくらかかるのかを分けて示す |
工事条件 | 支払条件/別途工事/支給品の有無/有効期限/備考(振込先など) | 後のトラブルを防ぐための約束ごと。電気工事はここの書き方でモメやすい |
電気工事の見積で特に大事なのが、3つ目の「工事条件」です。はつりや壁の復旧を含むのか含まないのか、器具や盤は自社手配なのか施主支給なのか——ここを曖昧にすると、あとで「聞いていない」というトラブルになりがちです。詳しくは後半の「モメやすいポイント」で触れます。
2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)に登録している場合は、見積書や請求書に「T」で始まる13桁の登録番号を書いておくと、お客様(とくに元請会社や店舗・法人相手の電気工事)が経理でスムーズに処理できます。テンプレートの設定シートに登録番号欄を用意してあるので、一度入れておけば大丈夫です(出典:国税庁「インボイス制度について」)。
元請会社の下請けとして電気工事の見積書を出す場合は、労務費にかかる社会保険料などの「法定福利費」を内訳として明示することが求められています。金額は「労務費総額 × 法定保険料率」で計算します(出典:国土交通省「法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順」)。施主(個人のお客様)に直接出す見積書では求められませんが、元請から仕事をもらう会社は、明細に「法定福利費」の1行を足して使ってください。テンプレートは明細を自由に増やせるので、行をコピーして挿入するだけで対応できます。
ここが、この記事の本題です。電気工事の見積金額は、勘で「だいたいこのくらい」と出すのではなく、材料費 → 労務費 → 諸経費の順に積み上げていくと、根拠が崩れません。ひとつずつ、「どう決めるか」を見ていきます。
電気工事の材料費は、図面(配線図・器具表)と現地調査をもとに、使うモノを一点ずつ数え上げるところから始まります。いわゆる「拾い出し」です。電線・ケーブルは長さ(m)、配管も長さ(m)、コンセントやスイッチ・照明器具は個数(箇所・台)、分電盤は面数(面)——というように、モノの性質に合った単位で分類しておくと、あとで数量を追いやすくなります。
電気工事には、材料費と施工の手間を分けて示す「材工分離」という考え方もあります。「照明器具(材料)」と「照明器具取付(手間)」を別の行にすると、器具が施主支給になったときに手間だけを残せるので、見積の組み替えがしやすくなります。テンプレートは材料と施工を別行で書けるようにしてあるので、材工一式でも、材工分離でも、自社のやり方に合わせて使えます。
もうひとつ、拾い出しで忘れがちなのがロス(切りしろ)と予備です。電線は配線経路どおりぴったりでは足りず、余長や結線分を見込む必要がありますし、器具も予備を持っておくのが普通です。拾った数量にそのまま単価を掛けるのではなく、現場の実感で少し余裕を持たせておくと、材料の追加購入で利益が削られるのを防げます。なお、材料の単価は仕入れ先・時期・数量で大きく動くため、この記事では具体的な金額は示しません。テンプレートのサンプル数値も、あくまで書き換え用の架空の値です。
次が、多くの社長さんがいちばん迷う労務費です。基本は「必要な人工(にんく)× 1人工あたりの日当」で考えます。たとえば「2人で3日かかる工事」なら6人工。これに自社の日当を掛ければ労務費のベースが出ます。まずは工種ごとに「何人で何日か」を見積もることが出発点です。
問題は、その日当をいくらに置くか。ここに決まった正解はなく、会社の技術力・地域・工事の内容によって変わります。ひとつの参照点になるのが、国が毎年公表している公共工事設計労務単価です。この単価には職種別の区分があり、電気工事には「電工」という区分が設けられています。令和7年3月からの単価は全職種の全国平均(加重平均)が24,852円で、13年連続の引き上げとなりました(出典:国土交通省「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について」)。ただしこれは公共工事向けの基準額で、地域によって差が大きく、そのまま民間工事の日当になるわけではありません。あくまで「世の中の水準が上がっている」という感覚をつかむための物差しとして見ておき、実際の日当は自社の経費と手取りから逆算して決めるのが現実的です。
材料費と労務費を足したものが、その工事の直接の原価です。ここに乗せるのが諸経費で、性質の違う2種類が混ざっています。ひとつは現場でかかるお金(車両のガソリン・駐車場代・小運搬・消耗品・廃材処分など)、もうひとつは会社を回すためのお金(事務所の家賃・電話・保険・事務の人件費など)です。工事の金額に関係なく、これらを回収できていないと、現場は動いているのに会社にお金が残らない状態になります。
「諸経費は何%が普通ですか」とよく聞かれますが、ここも会社の規模や体制で変わるため、この記事では特定の率を断定しません。諸経費(現場管理費)の考え方をもう少し詳しく知りたい方は、現場管理費とは?平均何パーセント?の記事もあわせてご覧ください。テンプレートでは、この諸経費率を「設定」シートで1か所にまとめてあり、率を変えれば見積書側の計算が自動で切り替わるようにしてあります。まずは自社の率を入れて、実際の工事で回収できているかを見ながら調整していくのがおすすめです。
積み上げの考え方が分かったところで、実際のテンプレートを写真で見てみましょう。全部で3枚のシートに分かれています。
A4縦にまとまる、そのまま印刷・PDF保存できる見積書です。「仮設工事」「幹線・配線工事」「盤工事」「器具取付工事」「接地工事」のように工種のまとまりごとに見出しを立て、その下に内訳を並べる階層式にしてあります。数量と単価を入れれば、金額・工種ごとの小計・全体の合計まで自動で計算します。諸経費(現場管理費)や消費税の行も最初から入っています。サンプルとして電気工事の工種をひととおり入れてあるので、自社の内容に書き換えて使ってください。
参考までに、テンプレートに入れているサンプル明細の骨組みは次のような形です(数量・単価は書き換え用の架空サンプルで、実勢の単価を示すものではありません)。
工種(見出し) | 内訳の例 | 単位の目安 |
|---|---|---|
■ 仮設工事 | 仮設電源工事/墨出し | 式 |
■ 幹線・配線工事 | 幹線ケーブル敷設/VVFケーブル配線/配管(PF管等) | m |
■ 盤工事 | 分電盤取付/盤内結線 | 面・箇所 |
■ 器具取付工事 | 照明器具取付/コンセント・スイッチ取付/換気扇取付 | 台・箇所 |
■ 接地工事 | 接地(アース)工事/接地抵抗測定 | 箇所・式 |
■ 諸経費 | 現場管理費(設定の率から自動計算) | 式 |
このように「■見出し → 内訳 → 工種ごとの計」の階層でつくっておくと、行を足しても小計や合計が崩れません。

ここが、よくある無料テンプレートとの一番の違いです。見積書に入れた明細が自動で並び、それぞれの原価単価を入れるだけで、粗利額と粗利率が横に出ます。電気工事は、材料の値上がりや応援の人工(にんく)で原価が動きやすく、金額の大きい現場ほど「どこで利益が薄くなっているのか」が見えにくくなります。このシートがあれば、「この工事、全体で粗利何%か」を提出前に確認できます。粗利率が15%を下回る行には自動で色がつくようにしてあるので、薄利の工事にひと目で気づけます。お客様に渡す紙ではないので、社内の値付けの物差しとして使ってください。

自社名・住所・電話番号・インボイスの登録番号・振込先などを入れておく場所です。諸経費率(初期値10%)や消費税率もここで管理しているので、率を変えれば見積書の計算も自動で切り替わります。初期値の10%は目安や相場ではなく、あくまで仮に置いた数値なので、自社の率に書き換えてお使いください。会社情報を毎回打ち直す必要がないので、2件目からの見積作成がぐっと速くなります。

難しい設定はありません。次の順番でそのまま使えます。
見積を出したあと、社内で「原価・粗利」シートに材料や外注の単価を入れておけば、あとで「あの現場、実際どれくらい残ったか」を振り返る材料にもなります。値引きを頼まれたときも、先に粗利率が見えていれば「ここまでは下げられるが、これ以上は赤字」という線を自分で引けます。値引きの見せ方に迷ったら、出精値引きとは?見積書での書き方の記事も参考になります。
電気工事の見積は、金額そのものより「どこまでが含まれているか」でトラブルになりがちです。よくある4つを、一般的な注意点として整理しておきます。
とはいえ、エクセルのテンプレートには限界もあります。使い込むほど、こんな場面が出てくるはずです。
ここを丸ごとラクにするために作ったのが、建設業向けの業務管理クラウド「コンクルーAI」です。1名から使えるので、一人親方の方や数名の電気工事店でも導入できます。見積を作れば、その内容がそのまま原価管理や請求につながるので、転記もファイル探しもなくなります。

「まずはテンプレートで手を動かしてみる → 手作業がしんどくなってきたらクラウドに移す」。この順番で十分です。今日はまず、無料のテンプレートから始めてみてください。
不要です。上のボタンからそのままダウンロードできます。「無料と書いてあるのに、結局アドレスを求められる」ということはありません。
マクロは使っていません。Excelの関数だけで計算しているので、「コンテンツの有効化」を求められることもなく、安心して使えます。
はい。自社の見積書として、項目やサンプルの工種を書き換えて自由にお使いください(テンプレートそのものの再配布・販売はご遠慮ください)。
使えます。材料費・労務費・諸経費を積み上げるという骨組みは、空調・給排水などの設備工事にも共通です。見出しと明細を自社の工種に書き換えれば、他の職種の見積書としても活用できます。
「設定」シートの数値を書き換えれば、見積書側の計算に自動で反映されます。消費税率・諸経費率のどちらも、この1か所で管理しています。
電気工事の見積書は、ただ金額を伝える紙ではなく、「その現場で会社にいくら残るか」を決める入り口です。材料は拾い出しでていねいに数え、労務費は人工と日当で組み立て、諸経費で会社を回すお金まで乗せる。この順番で積み上げれば、安すぎて疲弊することも、根拠のない一式見積で失注することも減らせます。そして別途工事や支給品の線引きを工事条件にきちんと書いておくことが、後のトラブルを防ぎます。
今回の無料テンプレートは、電気工事のサンプル明細と原価・粗利をセットにして、登録なしですぐ使えるようにしました。まずはダウンロードして、次の1件から試してみてください。
電気工事の見積書エクセルテンプレート(無料・登録不要)
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