建設業の日報アプリを、写真共有・出面集計・原価管理の目的から比較。KANNA、eYACHO、AppSuiteの公式機能と料金条件を整理し、同じ一日分の日報で試す項目、訂正・集計・担当分担まで具体的に解説します。
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建設業の日報アプリは、現場で入力しやすいだけでは選び切れません。送られた日報を事務担当が集め、工事別・作業員別に並べ直しているなら、入力後の仕事がそのまま残るからです。写真で状況を共有したいのか、出面を集計したいのか、労務費まで見たいのかを先に分けましょう。
この記事では、KANNA、eYACHO、AppSuiteの工事別作業員日報アプリについて、公式機能と契約条件を確認しながら選び方を整理します。「どれが一番使いやすいか」を決める記事ではありません。自社の一日分の報告を使い、翌朝の確認・集計まで試すための比較です。製品情報は2026年9月10日に確認しています。
日報の目的を全部盛りにすると、現場の入力欄が増えて続かなくなることがあります。最初は、今もっとも困っている集計や確認から逆算すると、必要な項目を絞れます。
先に改善したいこと | 日報に必要な情報 | 事務所側で見るもの |
|---|---|---|
進捗や不具合を共有する | 現場・場所・作業内容・写真・確認してほしいこと | 現場別の報告と、返答が必要な項目 |
出面を集計する | 作業日・工事・作業員・作業時間または人工 | 工事別・作業員別の集計 |
労務費を原価へつなぐ | 出面に加え、単価や費目との対応 | 日報の明細と工事別原価の一致 |
顧客や元請へ報告する | 提出先が必要とする項目、写真、確認済みの内容 | 提出用帳票。社内の原価情報とは分ける |
たとえば、写真の回収漏れが主な問題なら、最初から原価計算まで変える必要はありません。一方、日報を集めた後に毎月人工を計算し直している会社は、文章入力の便利さより、工事と作業員を選択して集計できることを優先した方が目的に合います。
日報そのものに何を書くかは、建設業の作業日報の記載内容で確認できます。この記事では、その記録をアプリに移した後の運用を中心に見ていきます。
次の比較は、各社が公式に案内している機能の一部です。目的に近い候補を見つけるための整理で、未記載の機能が非対応という判定ではありません。プラン・設定・端末による条件は別途確認してください。
候補 | 公式に案内される機能 | 試用で確かめたい点 |
|---|---|---|
KANNA | 現場別の開始・終了・進捗報告、写真添付、写真台帳、帳票を扱うKANNAレポート | 通常の報告と帳票機能の違い、必要プラン、提出用の形式 |
eYACHO | 安全衛生日報・月報のテンプレート、手書きを含む現場帳票、写真等の記録 | 自社の日報への調整、利用エディション、端末ごとの機能 |
AppSuite 工事別作業員日報アプリ | 工事ごとの作業員・労務費・経費等の登録、条件別の金額集計 | 単価と作業員の設定、集計条件、入力単位の統一 |
写真・報告を共有すること、帳票を電子化すること、労務費を集計することは重なる部分もありますが、同じ仕事ではありません。自社の日報を一枚見せて、どの機能で再現するかを提供会社に説明してもらうと、比較の前提がそろいます。
KANNAの機能ページでは、現場の開始・終了・進捗を報告し、写真を添付する機能を案内しています。別に、既存の帳票をテンプレートとして記入するKANNAレポートも紹介されています。短い現場報告を集めたい場合と、決まった様式の書類を提出したい場合で、使う機能を確認しましょう。(出典:KANNA公式「機能」)
公式の料金ページには、ライト・ベーシック・エンタープライズのプランと、見積依頼の案内があります。必要な機能のプラン、使う自社人数、社外との共有範囲を指定して見積を取ります。無料で始められるという表示を、帳票作成や必要な管理機能まですべて無料という意味に広げないようにしてください。(出典:KANNA公式「料金」、2026年9月10日確認)
eYACHOでは、安全衛生日報・月報などの業務テンプレートが案内されています。自社の日報が安全衛生の指示を中心にしているのか、作業実績や労務費の集計を中心にしているのかで、テンプレートのまま使える範囲は変わります。帳票名が近いだけで採用せず、必要な入力項目と月報の集計結果を照合してください。(出典:eYACHO公式「スマート業務パッケージ」)
法人向けベーシック版の公式料金は、年間ライセンス1人28,800円、または月額ライセンス1人3,200円で、いずれも税抜です。通常の法人向け各版は最小5ライセンスから、初期導入費300,000円(税抜)も案内されています。協力業者向けの限定ユーザー版には別の利用条件があります。人数分のライセンス代だけで導入総額を判断せず、帳票調整や支援費用も確認します。(出典:eYACHO公式「購入情報」、2026年9月10日確認)

画像引用元:工事別作業員日報|業務アプリ作成ツール AppSuite
AppSuiteの公式ライブラリにある工事別作業員日報アプリは、工事と作業員を結び、労務費や経費を記録する形式です。定時内・時間外などの単価を設定して労務費を計算し、日付や工事、作業員などの条件で金額を一覧化する機能が案内されています。
公式は、似た名前の「作業員別工事日報アプリ」との併用について、二重登録を避けるため、どちらか一方を使うよう注意しています。工事側からまとめて入力するのか、作業員側から入力するのかを先に決めることが大切です。(出典:AppSuite公式「工事別作業員日報」)
クラウドのスタンダードプランは、desknet's NEOとAppSuiteを含み、1ユーザー月額800円(税抜)、初期費用0円、5ユーザーからの契約として案内されています。日報アプリのライブラリが公開されていることと、業務で使うサービス契約が無料であることは別です。(出典:desknet's NEO公式のクラウド版料金、2026年9月10日確認)

比較項目 | 試すこと | 残す記録 |
|---|---|---|
入力単位 | 一人が同日に複数工事へ入った日報を作る | 工事別と人別の両方で重複なく集計できたか |
写真と場所 | 似た現場名を選び、写真と位置の説明を付ける | 事務所の人が取り違えず読めたか |
訂正 | 提出後に作業時間を修正する | 再集計、通知、修正前後の扱い |
確認・差し戻し | 情報が不足した日報を入力者へ戻す | 誰の対応待ちか分かったか |
集計・出力 | 工事別・月別の結果を出す | Excelへの加工や再入力が残った箇所 |
端末・通信 | 実際に持ち歩く端末と許可された試用環境で使う | 撮影・入力・同期の条件、通信できないときの運用 |
この表は、全製品が6項目を同じ方式で実現するという意味ではありません。試用で確認できないものは、質問として提供会社に返します。「できない」と即断するのではなく、標準機能、オプション、個別設定、外部への出力のどれで対応するかを整理してください。
仮の例として、一人の作業員が午前にA工事で3時間、午後にB工事で4時間作業した記録を使います。これは入力と集計を試すための例で、労働時間・賃金の法的な判定をするものではありません。
現場では工事を分けて報告し、翌朝に事務担当が、A工事3時間、B工事4時間、その作業員の合計7時間になっているか確認します。次に、A工事を2時間へ訂正して、工事別と作業員別の両方で合計が更新されるかを試します。
記録が残ることと、訂正が集計へ反映されることは別です。アプリからCSVを取り出した後に修正した場合、出力済みファイルは古いままかもしれません。集計を確定する時刻と、確定後の訂正を誰へ連絡するかも決めておきましょう。
また、作業時間を原価へ使うときの社内単価と、給与計算に使う時間・単価は同じとは限りません。「日報で労務費が出る」ことを、そのまま給与計算が完了するという意味に広げず、利用範囲を分けて確認してください。
最初の設定で入力欄を増やすより、誰が何に使うかを決める方が、日報の内容をそろえやすくなります。現場担当には必要な記録、事務担当には集計、社長や責任者には判断が必要な項目を割り振ります。
役割 | 担当すること |
|---|---|
現場で報告する人 | 工事・作業内容・時間などを入力し、未確定事項を分けて伝える |
翌朝に確認する人 | 未提出・情報不足・工事の取り違えを確認し、必要なものを戻す |
月次で集計する人 | 締め日までの対象をそろえ、訂正と集計値を照合する |
運用を見直す人 | 使っていない入力欄や再入力が残る作業を確認する |
入力負担が大きい場合は、項目を減らす、選択肢にする、前日の内容を参照するなど、まず記録の形を見直します。音声で下書きを作る方法もありますが、聞き違いや工事名・数値の確認は必要です。音声入力を検討する場合は、建設業の音声日報の進め方も参考にしてください。
導入を判断するときは、入力時間だけでなく、未提出の確認、差し戻し、集計、訂正までを含めて比べましょう。自社の一日分の日報を用意し、現場と事務の両方が試す。それが、画面の印象だけで選ばないための最初の一歩です。