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監修者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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国交省が災害対応に使う建設機械の位置情報収集を拡充。住友建機の参加や発災前の収集、対象となる会社・機械の条件を整理します。位置が分かることと出動できることの違い、機械・人員・回送・連絡先など、会社側の備えも解説します。
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災害対応に使える建設機械を、被災地の周辺でどう見つけるか。国土交通省は2026年9月1日、建設機械の位置情報を集約・活用する試行について、参加メーカーと情報収集の運用を拡充したと発表しました。
今回は住友建機が加わり、データ提供メーカーが5社になりました。また、台風や豪雨などで大規模な被害が起きる可能性が高いと判断された場合、災害の発生前にも必要に応じて情報を収集・活用できるようにしています。
対象は、建設機械を持つすべての会社ではありません。地域の災害対応に関わる建設会社が確認したいのは、自社がどの条件で協力するのか、位置が分かることと実際に動員できることをどう分けるかです。
(出典:国土交通省「災害時における建設機械の位置情報集約・活用の取組を拡充」。2026年9月10日確認)

建設機械に搭載した通信システムから得られる位置・稼働等の情報を、テレマティクスデータといいます。今回の仕組みでは、建機メーカーが保有するデータを日本建設機械施工協会が集約し、国交省へ提供します。
国交省は、被災地周辺にある建設機械の確保や配置の検討など、災害対応のマネジメントに利用します。一般向けに位置情報を公開する機械検索サービスや、各社へ自動で工事を発注する仕組みとして案内されているものではありません。
発表では、本格導入に向けて試行結果を踏まえた改善を図るとしています。すでにすべての災害・すべての機械を網羅する完成済みの仕組み、と受け取らないことが大切です。
項目 | 2026年9月1日の発表内容 |
|---|---|
データ提供メーカー | 小松製作所、キャタピラージャパン、コベルコ建機、日立建機に住友建機が加わり5社へ |
情報収集のタイミング | 大規模被害が発生した後に加え、台風・豪雨等で被害の発生が見込まれる段階も対象 |
協力会社 | 今回の試行への参加は約2,000者 |
対象エリア | 対象地域を含む約100km四方 |
特に注意したいのは、「今回初めて地震以外の災害へ広げた」という説明ではないことです。従来から、巨大地震と、地震以外の広域的な災害が発生した場合を対象としていました。今回加わったのは、大規模な被害が発生する可能性が高いと判断される段階の情報収集です。
地震の目安は、全国では震度6弱以上、東京都23区内では震度5強以上とされています。台風・豪雨は、名称や警報だけで一律に全件の収集を始めるという説明ではなく、被害の可能性に応じて必要な情報を収集する運用です。
(出典:国交省発表「今年度の主な拡充内容」「データの概要」。図・表は同資料を基に当編集部作成。2026年9月10日確認)
発表に記載された試行対象は、国交省と災害協定を締結している日本建設業連合会または全国建設業協会の地方支部の会員である建設会社のうち、事前に同意した協力会社が所有する対応機械です。対象機械は、テレマティクスデータに対応していることが前提です。
「5社のメーカーの機械なら自動的に参加」「位置情報の契約があれば会社の同意は不要」という読み方はできません。会社側の参加条件と機械側の対応条件は、別々に確認する必要があります。
また、約2,000「者」という表記だけで、個人事業主が含まれるかどうかは判断できません。建機の型式・契約ごとの対応や、レンタル機の扱いなど、自社の条件に関わる点は所属団体等へ確認するのが確実です。
(出典:国交省発表「試行概要」「対象とする建設機械」。2026年9月10日確認)
ここからは、地域の災害対応に関わる会社に向けた編集部の実務提案です。機械の場所が分かることと、要請に応じてその機械を動かせることは別です。運転者、回送手段、燃料、故障・整備の状況、すでに入っている現場の予定などを合わせて確認する必要があります。
災害対応の連絡を受けたとき、現場や車庫へ個別に電話しなければ分からない情報が多いと、返答の準備に時間がかかります。まずは、所在以外に何を確かめるべきかを社内でそろえておく方法があります。
社内で整理したい情報 | 確認する目的 |
|---|---|
機種・管理番号・保管先・現場名 | 対象機械を取り違えずに確認する |
整備・故障・稼働予定 | 今の状態と、利用予定の重なりを把握する |
運転者・回送・燃料の手配先 | 機械以外に必要な段取りを確認する |
緊急連絡先・社内の判断者 | 誰が条件を確認し、回答するかを明確にする |
情報の確認日・更新担当 | 古い予定を現在の状態と取り違えない |
この表は国交省への提出様式ではありません。各社の備えを整理するための例です。国や団体へ提出する情報の範囲や連絡方法は、協定・参加手続きに沿って別途確認してください。
すでに災害対応の協力体制に入っている会社は、今回の試行に参加しているか、社内の担当者が同意内容と連絡先を把握しているかを確認します。参加していない会社も、この記事だけを根拠にデータを外部へ送る必要はありません。関心があれば、所属する建設業協会等を通じて対象条件と手続きを確かめてください。
住宅リフォームや設備の事務を中心に行い、対象となる建機を持たない会社にとっては、直接の導入対象とは限りません。一方、日々の現場予定と利用する機械・人を合わせて管理する考え方は、通常業務にも共通します。予定の重なりを整理する入口には、工期逆算カレンダーなどの工程管理用の資料も活用できます。
今回の拡充は、住友建機の参加と、被害が見込まれる段階での位置情報収集がポイントです。対象には、団体との関係、会社の事前同意、対応機械という条件があります。
位置が分かることを、出動可能・受注確定と同じものにしない。会社側では、機械の状態、人員、回送、連絡先を確認できるようにしておく。情報を使った災害対応を支えるために、自社で見直せるのはこうした日常の記録です。