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監修者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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建設業の熱中症労災を2021〜2025年の厚労省確定値で整理します。推移グラフ、再利用できるCSV、朝礼確認シートを用意し、現場で確認したい対策の要点と公式情報の見方、対策を進める際の注意点を紹介します。
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暑さ対策は「今年は暑そうだから気をつけよう」だけでは、現場の段取りに落とし込みにくいものです。まずは、建設業でどれくらいの熱中症労災が起きているのかを同じ定義の数字で確認しておくと、朝礼や協力会社との打ち合わせで優先順位を共有しやすくなります。
厚生労働省の確定値によると、2025年に建設業で発生した熱中症による死傷者数(死亡と休業4日以上の業務上疾病者)は292人でした。前年の228人から64人、28.1%増えています。死亡者は5人で、死傷者数の内数です。
この記事では、2021年から2025年の確定値を表とグラフで整理し、出典付きCSVと朝礼で使える確認シートを配布します。数値の引用元や定義を明示しているため、社内資料や協力会社への説明の出発点として使えます。
下表は、厚生労働省の「職場でおこる熱中症」に掲載された建設業の確定値を、同じ定義で並べたものです。「死傷者数」は死亡者と休業4日以上の業務上疾病者を合わせた数で、死亡者数はその内数です。

出典:厚生労働省「職場でおこる熱中症」をもとにコンクルーBase作成。
年 | 建設業の死傷者数 | うち死亡者数 | 前年比(死傷者数) |
|---|---|---|---|
2021年 | 130人 | 11人 | — |
2022年 | 179人 | 14人 | +37.7% |
2023年 | 209人 | 12人 | +16.8% |
2024年 | 228人 | 10人 | +9.1% |
2025年 | 292人 | 5人 | +28.1% |
2025年の全産業では、熱中症による死傷者数が1,803人で統計開始以来最多となりました。建設業だけを見ても、5年連続で増加しています。数字だけで「現場の対策が足りない」と断定はできませんが、暑さが厳しい時期の連絡体制・休憩・体調確認を、工程とセットで決めておく重要性は増しています。
表の元データはCSVで配布します。年、死傷者数、死亡者数、一次ソースURL、集計定義を入れているので、社内の安全大会資料や協力会社向けの説明資料に再利用できます。
建設業の熱中症労災データ(2021〜2025年・CSV)をダウンロード
引用・転載する場合は、数字だけを切り取らず、以下を併記してください。
出典:コンクルーBase「建設業の熱中症労災統計【2026年】」。厚生労働省「職場でおこる熱中症」の確定値をもとに集計。
なお、このCSVは法令判断や作業中止基準を示すものではありません。最新の公式情報を確認し、作業場所・作業内容・作業者の状況に応じて使ってください。
統計は、読むだけでは事故を減らしません。毎朝の短い確認を、誰が・どこで・異変時に何をするかまで具体化しておくことが大切です。2025年6月施行の改正では、熱中症を生ずるおそれがある作業について、早期発見のための体制、重篤化防止の手順、関係者への周知が求められています。対象作業の考え方や詳細は、厚生労働省の案内で確認してください。
「暑いので注意」ではなく、屋外・屋根上・重機周辺・風の通りにくい場所など、負荷が高くなりやすい作業場所を先に共有します。暑さ指数(WBGT)を測る場合は、測定する場所と時刻、確認担当を決めておくと抜けにくくなります。
本人の自覚だけに頼らず、近くの作業者が異変に気付いたときの報告先も決めます。現場責任者の氏名・連絡方法、作業を止める判断者を朝礼で確認し、変更があれば更新します。
休憩場所、飲料の置き場、冷却できるもの、緊急連絡先、搬送先の確認方法は、現場ごとに違います。抽象的なルールで終わらせず、当日の配置に合わせて記録します。

2025年の建設業の熱中症死亡者数は5人で、前年の10人から減りました。一方で死傷者数は292人に増えています。死亡者数だけ、または死傷者数だけを見て対策の成否を決めるのではなく、現場で異変を早く見つけ、重篤化を防げる体制になっているかを毎日確認することが重要です。
2026年3月には、業種や作業場所の違いに応じた取組を選べるようにする職場における熱中症防止のためのガイドラインも策定されています。テンプレートをそのまま使うのではなく、自社の作業条件に合わせて調整してください。
小規模な現場で体制・手順・周知をどう整理するかは、建設現場の熱中症対策義務化の記事でも具体的に解説しています。
建設業の熱中症による死傷者数は、2025年に292人でした。毎年の数字を追うこと自体が目的ではなく、現場ごとの暑さ・報告先・緊急時の動きを事前に決める材料にすることが大切です。CSVと朝礼シートは、一次ソースを確認しながら自社の現場用に更新して使ってください。
データ更新履歴:2026年8月29日初版。次回は厚生労働省の2026年確定値の公表後に更新予定です。