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監修者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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Excelの見積書を使い続けるか、積算ソフトに移るか迷っている工務店・専門工事会社へ。拾い出し・積算・見積の違いから、製品ごとの確認点、保守や単価更新を含む総額、過去図面での試し方まで整理し、自社に合う候補を絞るための判断材料を紹介します。
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Excelでの見積づくりを続けるか、積算ソフトへ移るか迷ったら、自社で時間がかかる作業を整理しましょう。工務店や専門工事会社が先に決めたいのは「拾い出し・積算・見積のどこを楽にしたいか」です。そのうえで、単価データ、保守、利用人数、Excel移行まで含む総額と、自社の過去図面での再現性を比べます。
※本記事は公開情報をもとに整理しています。機能・価格・提供範囲等は変更される可能性があるため、最新の正確な情報は各公式HPよりご確認ください。
「積算ソフト」と呼ばれる製品の範囲はさまざまです。一般に、拾い出し・積算・見積は次のような作業を指します。ここでは、自社の手順を見直すための整理として三つに分けます。
公共工事を扱う場合は、適用する積算基準も確認対象です。国土交通省は「公共建築工事積算基準」を積算に必要な事項を定めた総括的な基準、「公共建築工事標準単価積算基準」を標準歩掛や市場単価などの単価・価格の算定に関する基準と説明しています。上の作業整理と次の図は編集上の概念整理であり、これらの基準が定めた工程や計算式を示すものではありません。(出典:国土交通省 公共建築工事積算基準等資料)

たとえば、拾い出しの転記に時間がかかる会社は、拾い出し専用ソフトだけでも改善する可能性があります。一方、数量は現場担当が早く出せても、事務所で古い単価を探す、見積の書式を直す、担当者ごとに利益率が変わることが問題なら、積算・見積側の整備が先です。手作業の流れを確認したい場合は、図面から数量を拾い出す基本のやり方もあわせて確認してください。
比較の考え方の一例として、支援する作業や用途で四つに分けます。公的な分類ではなく、各製品の具体的な対応範囲は個別に確認します。
工事金額の組み立てや見積の内訳作成を支援する製品を、このタイプとして整理します。数量・品名・単価の登録方法や、どこまで見積を作成できるかは公式サイトで要確認です。Excelで行っている「自社単価の参照」「明細の並べ替え」「見積書への転記」をまとめたい会社は、これらの作業を確認項目にします。工種名や品名の階層、自社単価の更新方法、端数・諸経費の扱い、提出書式も確かめましょう。
図面から必要な数量を拾う作業を支援するタイプです。自社が必要とする長さ・面積・個数のうち、どれを扱えるかは製品ごとに公式サイトで要確認です。Excel出力に対応する製品なら、積算・見積まで一気に変えず、集計結果を従来のExcelへ渡す運用も検討できます。図面の形式、縮尺設定、修正箇所の見つけやすさ、集計結果の出力方法が比較点です。
図面を読み込み、数量の抽出を自動化するタイプです。対象とする図面や工種、出力範囲は製品ごとに確認します。「AI積算」という名前だけでまとめず、自社が扱う図面を読み取れるか、抽出結果を人がどの画面で確認・修正するか、見積まで進むかを質問します。自社図面でデモを受けられるかも事前に相談しましょう。AIで積算するときにできることと限界は、積算AIとはで整理しています。
全国の発注者や地域別の積算基準、公共工事の落札支援などを前面に出す土木積算ソフトがあります。民間の住宅・店舗・改修を中心にする会社とは、確認すべき基準や必要な出力が異なる可能性があります。公共工事を扱うか、どの発注者の設計書を扱うかを先に整理して、民間向け候補とは分けて比較します。
ここでは、楽王シリーズ、ヒロイくんⅢ、建築みつも郎17、本丸EXv3、Sekisan係長NR、AI積算を、同じ確認項目で並べます。各製品が自社の工種や利用規模に合うかは、対象業務と契約条件を聞いて判断します。「公式サイトで要確認」の欄は、候補を絞るときに各社へ尋ねたい項目です。
製品 | 提供会社 | タイプ | 対象工種 | 提供形態・対象 |
|---|---|---|---|---|
楽王シリーズ | 公式サイトで要確認 | 積算・見積型 | 公式サイトで要確認 | Crewは担当者1人向け、 |
ヒロイくんⅢ | 公式サイトで要確認 | 拾い出し特化型 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 |
建築みつも郎17 | 公式サイトで要確認 | 見積型 | 公式サイトで要確認 | 画像の価格表示はスタンドアロン版・ |
本丸EXv3 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 | 現金、リース、使用権販売の契約形態あり。 |
Sekisan係長NR | 公式サイトで要確認 | 数量・手間・費用算出、見積作成型 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 |
AI積算 | 公式サイトで要確認 | AI拾い出し型 | PDF平面図のダクト、 | クラウドシステム |
ヒロイくんⅢは、CAD(DXF)やPDFの図面データを読み込み、図面上をマウスでクリックして必要な数値を拾い出せるソフトです。集計結果のExcel出力と楽王シリーズへの直接連携も公式FAQで案内されています。自社が必要とする数量の種類や、出力する列・単位は個別に確認してください。(出典:ヒロイくんⅢ サブスク版案内)(出典:楽王 公式FAQ)
Sekisan係長NRは、簡単な入力操作から材料数量、大工手間、解体費・処分費を算出し、見積書を同時に作成できると公式サイトで説明されています。どの構造・工種・図面条件に対応するかは、公式サイトやデモで要確認です。(出典:Sekisan係長NR 公式サイト)
本丸EXv3は、現金での支払いのほか、リース契約と使用権販売のサブスクリプション契約が公式FAQに示されています。価格は要問い合わせ、対象工種、提供形態、Excel連携、単価データは公式サイトで要確認です。支払い方法を比べる場合も、同じ利用条件を示して見積を依頼します。(出典:本丸EXv3 支払方法の公式FAQ)

楽王シリーズの料金プランのページ(確認日2026年10月2日)で、3製品の料金と対象が並んで示されている画面です。(出典:楽王シリーズ 料金プラン)
楽王Crewは8,800円(税込)/月で、担当者が1人の企業向けエントリーモデルです。全日出版社の単価情報を標準搭載し、年間契約でさらに安くなると案内されています。楽王Linkは14,800円(税込)/月(2ライセンスの場合)で、Crewにデータ共有機能を備えた組織利用向けモデルです。担当者が2〜5人の組織利用を対象としています。楽王3の料金は個別にお問い合わせ(大手企業向けカスタマイズモデル)。ビジネス規模や利用形態に応じた料金プランが案内されています。(出典:楽王シリーズ 料金プラン)
楽王シリーズは、協力会社から届いたExcel見積書を取り込み、自社材料との引き当てや価格更新を行う機能が公式FAQで案内されています。また、歩掛と地方別複合単価の利用についても案内があります。歩掛は全日出版社の電気設備・機械設備工事の積算実務マニュアルに掲載されたものです。FAQの対象製品のうち楽王3には注記があるため、各製品・プランへの適用条件は公式サイトで要確認です。収録件数や更新条件も、契約前に確認してください。(出典:楽王 公式FAQ)詳しい検討項目は楽王の料金・機能の整理にもまとめています。

建築みつも郎17の公式製品ページ上部で、製品名ロゴ、スタンドアロン版・DVD-ROM版の本体価格80,000円+消費税、単一税率対応のインボイス対応書式30種収録の案内が写っています。この本体価格と、保守やデータ更新なども含めて確認する導入総額を分けて比較しましょう。確認日:2026年10月2日。(出典:建築みつも郎17 公式製品ページ)
Excelの取り込みと出力の対応形式は、それぞれ公式サイトで要確認です。別売の活用支援データ集は8,000円+消費税と案内されています。収録内容・単価データとしての利用条件・更新条件は公式サイトで要確認とし、自社で必要かを確認してから購入予定の費用に含めます。(出典:建築みつも郎17 活用支援データ集)より詳しい判断軸は建築みつも郎17の料金・機能の整理も参考になります。

AI積算の公式トップページで、Sekisanのロゴ、PDF図面から建材をAIで自動拾いする見出し、独自の画像解析モデルを搭載したクラウドシステムの説明、資料請求ボタン、画面イメージが写っています。対象建物や精度の数字は、この画像の表示範囲には含まれていません。確認日:2026年10月2日。(出典:AI積算 公式製品トップ)
同サイトの製品説明では、CADがなくてもPDF平面図からダクト、ベントキャップ、空調・衛生配管を自動で拾い、主にマンション、ホテル、オフィスに対応するとされています。画像に写った説明とは分けて、自社の工種・建物・図面条件が合うかを確認してください。住宅や店舗改修への対応は公式サイトで要確認です。(出典:AI積算 公式製品トップ)
料金は要問い合わせ、無料体験、Excel連携、単価データは公式サイトで要確認です。資料請求時には、自社図面でデモを受けられるか、対象外の材料や図面をどう扱うか、人が結果を確認・修正する手順は何かを相談します。画面イメージや自動化の説明だけで判断せず、自社案件で確認できた範囲を記録しましょう。
(2026年10月2日に公式サイトで確認。税込/税別は公式表記どおり)
製品 | 公式価格 | 無料体験・デモ | Excel連携 | 単価データ |
|---|---|---|---|---|
楽王シリーズ | Crew:8,800円(税込)/月、 | 公式サイトで要確認 | 協力会社のExcel見積書の取り込みを確認 | Crewは全日出版社の単価情報を標準搭載。 |
ヒロイくんⅢ | 料金は公式サイトで確認 | 無料体験版なし。 | Excel出力、楽王シリーズへの直接連携を確認 | 公式サイトで要確認 |
建築みつも郎17 | スタンドアロン版本体80,000円+消費税。 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 | 収録内容・利用条件・更新条件 |
本丸EXv3 | 要問い合わせ | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 |
Sekisan係長NR | 要問い合わせ | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 |
AI積算 | 要問い合わせ | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 | 公式サイトで要確認 |
ヒロイくんⅢの公式案内では、無料体験版は提供せず、実際の製品を使ったデモンストレーションや動画を見られるとされています。自社図面で効率化を事前確認できる案内もあるため、問い合わせ時に持ち込み方法や秘密保持、対応図面を確認します。(出典:楽王 公式FAQ)
表で「公式サイトで要確認」が多い製品ほど、候補から外すという意味ではありません。未確認項目を同じ質問票にして、各社から書面で回答をもらうと比較できます。価格だけを聞くのではなく、同じ利用人数、同じ拠点数、同じデータ移行範囲を伝えることが大切です。
買い切りと月額は、表示価格だけで判断せず、利用期間をそろえて総額を確認します。社長と事務担当で、候補ごとに次の項目を一枚にまとめます。
費用項目 | 確認する内容 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
導入時 | 本体、初期設定、 | 見積テンプレや単価マスタの整備が別料金か |
継続利用 | 月額・年額、契約期間、更新条件 | 途中解約、最低利用期間、自動更新の条件 |
利用人数 | 基本ライセンス、 | 社長・積算担当・事務 |
単価データ | 初回データ、更新、地域別データ | 古い単価のまま残る箇所と自社単価の優先順位 |
保守 | 質問窓口、バージョン更新、端末入替 | OS更新やパソコン交換時の費用 |
出力・連携 | Excel・CSV、PDF、他ソフト連携 | 取り込みと出力を混同しない。 |
比較表には「初年度」と「継続年度」の列を作り、税込と税別を混ぜません。見積書に含まれない項目はゼロと決めつけず、「含む」「別料金」「要問い合わせ」のどれかで記録します。月額製品は利用予定の月数と人数、買い切り製品は導入時の設定・データ・更新費を足して、同じ利用期間で比べます。
単価データは、数が多いかだけでなく、自社の仕事で使えるかが重要です。契約前に、よく使う材料・工種を自社から提示し、地域差、仕入先価格、自社歩掛をどこまで上書きできるかを確かめます。見積作成時には、公表単価・仕入単価・顧客提示単価のどれを使ったかを記録します。単価の出所、更新日、更新担当者を残せる運用まで決めてください。
公表単価を調べるサービスも、費用の確認対象です。経済調査会の積算資料電子版は、積算資料や土木・建築施工単価などの過去号から最新号までの単価をWebで閲覧するサブスクリプション型サービスです。資料を閲覧する契約と、ソフト内で単価データを使う契約は分けて確認し、自動更新の有無や追加費用を質問してください。料金と各ソフトへの取り込み条件は公式サイトで要確認です。(出典:経済調査会 建設関連サービス)
現在のExcelに含まれる略称、端数処理、経費の入れ方、提出先ごとの書式を確認しましょう。移行方法の一例として、過去案件で数量・単価・金額の差分を照合してから、移す範囲を決める手順を紹介します。
まず、現行ファイルの工種、品名、規格、単位、原価、提出単価、仕入先、更新日を一覧にします。同じ材料が別名で重複していないか、単位が「式」と「個」で混ざっていないか、数式の上書きセルがないかを確認します。元ファイルは変更せず保管し、移行用のコピーで整理します。
「Excel対応」の表記だけで決めず、取り込みと出力の対象をそれぞれ確認します。既存の単価表を取り込めるのか、協力会社の見積書を取り込めるのか、完成した内訳をExcelへ出せるのかは別機能です。対応する拡張子、列名、階層、数式の扱い、画像や備考の移行も質問票に入れます。表で確認できた楽王シリーズはExcel見積書の取り込み、ヒロイくんⅢは拾い出し集計結果のExcel出力です。ほかの製品は、同じ質問を公式窓口へ確認してください。
製品の基本操作を見た後は、自社で数量・原価・提出額が確定している過去図面1件を使った確認を相談します。図面の持ち出し条件を確認し、必要なら社名や施主情報を伏せます。図面、拾い表、Excel見積、仕入先見積をひと組にし、各社に受け入れ可能な資料とデモ・試用の条件を確認します。同じ案件を扱える候補では、同じ資料で比較しましょう。
旧Excelと候補製品の結果を並べ、数量、単位、単価、手間、経費、端数、合計の順に差分を見ます。金額が違ったら、どちらが正しいかを担当者が図面と仕入条件まで戻って確認します。AI型では抽出結果をそのまま採用せず、見落としと重複、図面の注記、スケールを人が確認します。
自社の過去図面について、今の方法と候補製品で、図面の準備、数量の拾い出し、結果の確認・修正、内訳の整形、出力にかかった時間を分けて記録します。AIの処理が終わるまでの時間だけで判断すると、人が直す手間やExcelへの転記が比較から抜けます。初回の設定にかかった時間も別欄に残し、普段の見積で繰り返す作業と区別しましょう。
出力は画面上の合計が合うだけで終わらせず、実際のファイルを事務担当が開き、品名・規格・単位・数量・単価・小計・備考と、工種のまとまりを見ます。提出先が指定する書式へ整えられるか、印刷やPDFで内容が欠けないかも確認します。試用中の出力可否や対応形式は各製品の公式サイトで要確認です。
試せる範囲で、積算担当が数量を登録し、事務が内訳を整え、社長が粗利と提出額を確認するところまで通します。修正履歴、承認前の印、保存場所、案件名の付け方を決め、翌日に別の人が開いて続きをできるかも確かめます。同時利用やデータ共有、履歴機能の有無は公式サイトで要確認です。ソフト内で扱うものと、別の共有場所で管理するものを決めましょう。
無料体験がない製品は、デモ提供の有無や条件を公式サイトで確認します。過去図面を扱えるか、担当者自身が操作できるか、結果を持ち帰れるかを事前に相談しましょう。機能を試せない場合は、営業担当の説明内容と未確認項目を議事録に残し、契約条件と一緒に比較します。
Gaia11の公式ページでは、全国の発注者や地域別の積算基準への対応と、施工パッケージ型積算方式への対応が案内されています。ATLUS NEXTは、公共工事の落札率向上を支援する土木積算システムと説明され、電子形式・画像形式の設計書を取り込む自動解析が示されています。(出典:Gaia11 公式製品ページ)(出典:ATLUS NEXT 公式製品ページ)
民間工事が中心で、発注者基準に沿った積算や入札に当面取り組む予定がなければ、これらの機能が自社の作業に必要かを確認します。自社単価と施主向け見積を再現する工程を優先して比較してもよいでしょう。公共工事を受注する会社は、対象発注者、設計書形式、基準データの更新を確認します。民間工事が中心の会社は、過去図面と見積を使うデモを相談し、自社単価、拾い出し、提出書式までのうち必要な工程を再現できるかで候補を判断します。用途に合わないと決めつけず、自社で使う工程と照らし合わせてください。
Excel見積の取り込みを起点にしたいなら楽王シリーズ、図面からの手作業による拾い出しとExcel出力を先に整えたいならヒロイくんⅢが候補になります。本体価格を把握して検討したいなら建築みつも郎17、支払い・契約形態を相談したいなら本丸EXv3を同じ質問票で確認します。材料数量に加えて大工手間、解体・処分費、見積作成までの流れを試したいならSekisan係長NRが候補です。
PDF平面図のダクト、ベントキャップ、空調・衛生配管を扱うならAI積算の対象範囲と、自社の建物・図面で利用できる条件を確認します。公共工事の発注者基準や設計書を扱う会社は、Gaia11やATLUS NEXTを別枠で比べます。
最終判断は、機能数や製品名の知名度ではなく、過去図面1件で旧Excelとの差分を説明できるか、導入後の総額が書面でそろうか、担当者が引き継げるかの三点で行います。今のExcelをすぐ捨てる必要はありません。拾い出し、単価整理、見積出力のうち負担が大きい工程から試し、結果が合う範囲を確かめながら移すのが現実的です。