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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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工事が始まった途端、工程表はExcel・写真はスマホ・原価は手元のメモとバラバラになりがちですよね。この記事では着工後の工事管理システムに絞って、その役割となぜ今必要か、失敗しない選び方、主要サービスの特徴を中立に整理しました。自社が何から手をつけるかの判断に役立ちます。
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顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーAIひとつで完結


工事がいよいよ着工した途端、工程表はExcel、現場写真はスマホのカメラロール、原価は手元の走り書き…と、情報があちこちに散らばってしまう。町場の建設会社では、よくある光景ですよね。
受注するまでの見積や引き合いのやりとりはなんとか回っていても、いざ現場が動き出すと「今どこまで進んでいるのか」「予算に対していくら使ったのか」「あの写真、どこにいったか」が一気に見えなくなる。そこをまとめて1か所で握れるようにしてくれるのが「工事管理システム」です。
この記事では、顧客や案件そのものの管理ではなく、工事が始まってからの工程・原価・進捗・現場情報の管理に絞って、工事管理システムとは何か、どう選べばいいのか、主要なサービスにはどんな特徴があるのかを中立に整理します。業務管理ツール全体のまとめや見積ソフト単体の比較は別の記事にゆずり、ここでは「着工後の現場」に的をしぼって見ていきます。
工事管理システムとは、ざっくり言えば工事が動き出してからの現場を、まとめて管理するための仕組みです。工程がどこまで進んだか、原価が予算に収まっているか、現場の写真や図面・書類はどこにあるか、日報や連絡はどうなっているか。こうした「現場の今」を、紙やExcelやスマホに散らばった状態から、1つの画面に集めてくれます。
似たような言葉が多くて分かりにくいので、町場の言葉で交通整理しておきます。
この記事で扱う「工事管理システム」は、このなかでも着工後の工程・原価・進捗・現場情報を軸にしたものです。見積や案件だけを扱うツールとは、少し立ち位置が違うと考えてください。
「今のやり方で回っているのに、わざわざ入れる必要ある?」と感じる方も多いと思います。ただ、現場を取り巻く事情はここ数年で確実に変わってきました。
まず、2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。原則は月45時間・年360時間、特別な事情があっても年720時間が上限です(出典:厚生労働省)。残業に上限がついた以上、工程の遅れや段取りの狂いを、現場でできるだけ早くつかんで手を打つことが欠かせなくなりました。
そもそも建設業は労働時間が長い業種です。建設業の年間実労働時間は2,018時間で、全産業平均より62時間ほど長い状態が続いています(2023年度/出典:国土交通白書2025(国土交通省))。工程・原価・進捗をバラバラに管理している現場ほど、確認や転記に時間を取られて、この負担が重くのしかかります。
加えて、担い手の高齢化も進んでいます。建設業の就業者は55歳以上が36.7%、29歳以下が11.7%(2024年)で、全産業の32.4%・16.9%と比べても高齢層に偏っています(出典:国土交通白書2025(国土交通省))。ベテランの頭の中だけで回してきた現場管理を、誰でも見られる形に残して引き継いでいく必要が出てきた、ということでもあります。
つまり、現場の工程や進捗を早く握り、属人的なやり方を仕組みに置き換える。そのための一つの道具が工事管理システムだ、というわけです。
工事管理システムと一口に言っても、カバーする範囲はサービスによって違います。まずは「何ができるのか」を、5つの領域に分けて整理してみます。自社がどこに困っているかを当てはめながら読んでみてください。
領域 | 代表的な機能 | これで解決する困りごと |
|---|---|---|
① 工程・進捗 | 工程表、複数現場をまたぐ横断工程表、遅れの通知 | 今どの現場がどこまで進んでいるか一目で分からない |
② 原価・実行予算 | 実行予算、発注・仕入、原価の集計と予実の突き合わせ | 工事が終わるまで儲けが出たか分からない |
③ 写真・図面・書類 | 工事写真の整理、図面共有、電子黒板、書類保管 | 現場写真がスマホに埋もれて後から探せない |
④ 日報・現場連絡 | 作業日報、チャット、掲示板、既読の確認 | 電話とチャットと口頭で連絡がバラバラになる |
⑤ 請求・入金の連動 | 見積・請求書の作成、入金管理、会計への連携 | 現場の数字を事務所でまた入力し直している |
①〜③あたりの「現場そのもの」に強いサービスもあれば、④⑤まで含めて事務所のバックオフィスごと一本化できるサービスもあります。全部そろっているほど良い、というわけでもありません。自社がまず握りたい領域はどこか、という目で見ていくのが近道です。
製品を並べて比べる前に、選ぶときの物差しを決めておくと迷いにくくなります。町場の現場で特に効いてくるのは、次の4つです。
どれだけ機能が多くても、現場の職人さんが入力してくれなければ、情報は集まりません。工事管理システムでいちばん多い失敗が、この「現場が入力しない・続かない」です。スマホでサッと写真や日報を上げられるか、ボタンの押しやすさはどうか。導入前に、実際に現場で使う人に触ってもらうのが確実です。
前の章の5領域のうち、工程・写真・連絡といった「現場まわり」だけを軽く始めたいのか、原価や請求まで含めて事務所ごとまとめたいのか。ここがぶれると、機能過多で使いこなせなかったり、逆に物足りなかったりします。まず埋めたい穴を1つ決めておきましょう。
1名から使えるものもあれば、ある程度の人数を前提にした料金体系のものもあります。参考までに、比較各社が示す工事管理システムの費用のめやすは、初期費用10〜35万円・月額2〜4万円程度とされています(ベンダー横断の相場/出典:ITトレンド)。無料や低価格のプランは魅力的ですが、使える現場数や機能に制限があることも多いので、何が含まれて何が別料金かは事前に確認しておくと安心です。
すでに使っている会計ソフトと連携できるか、電子帳簿保存法に対応した形で書類を保管できるか、工事写真を電子で管理できるか。この先の制度対応を見据えると、後から効いてくる観点です。今すぐ全部使わなくても、対応しているかどうかは見ておくとよいでしょう。
ここからは、代表的な工事管理システムを順不同で紹介します。順位づけはせず、それぞれの対象・特徴・料金を同じ粒度で並べます。自社の規模や、まず埋めたい領域と照らし合わせてみてください。

株式会社アンドパッドが提供する、クラウド型の建設プロジェクト管理サービスです。「経営から現場まで建築業界のDX化をワンプラットフォームで」を掲げ、施工管理(写真・資料・工程の一元管理)、チャット、図面管理、電子黒板・検査、受発注・請求管理、工程表・横断工程表など幅広い機能を持ちます。利用社数26万社・ユーザー数69万人超(公式表記)と規模が大きく、中小から大手まで対応します。料金は初期費用+月額費用+オプション費用で構成され、金額は要問い合わせです。

株式会社プレックスが提供する、建設業向けの現場管理・工事管理アプリです。「サクッと現場管理」をコンセプトに、案件・写真・スケジュール・作業日報・実行予算/原価・工事台帳・出面・請求などをクラウドで一元管理できます。料金は月額9,800円〜(税抜)・初期費用0円で、30アカウントまで含み全機能が使えます。2ヶ月間の無料トライアルがあり、期間が終わっても自動では課金されません。導入社数は3,000社以上(公式)。

株式会社CONOCが提供する、「工務店が現場目線で作った」建設業特化のクラウドです。見積書・請求書・発注書の作成、工事台帳・原価売上管理、工程表・日報、電子帳簿保存法に対応したストレージ、OCRを使ったAI見積もり、Googleカレンダー連携などを備えます。料金は月額9,800円〜(初期費用・アカウント課金は要問い合わせ)。一人親方から中小の工務店・建設会社が主な対象で、導入企業は700社を突破しています(公式)。契約前にデモ画面で操作を確認できます。

株式会社コンクルーが提供する、建設業向けのオールインワン業務管理クラウドです。見積・原価・工程・請求などを1つにまとめて管理でき、着工後の工程や原価もそのまま続けて扱えます。見積AI・転記AI・工程表AI・案件入力AIといったAIエージェントを備え、入力や転記の手間を減らせるのが特徴です。1名から使え、標準機能は手頃な価格帯で、14日間の無料トライアルがあります。累計導入は3,000社(公式)。

株式会社ダイテックが提供する「月々1万円で使える現場の施工管理アプリ」です。工程表(縦横断工程表)、既読未読が分かるトーク・掲示板、写真・図面・書類の管理(朱書き対応)、入退場管理・KY活動、お施主様向けの共有や電子黒板といった、現場側の機能がそろっています。料金はPLAN1が60IDで月額10,000円(税別)、初期費用は利用料1か月分です。住宅会社・工務店・協力会社を中心に、全国6万社以上が利用しています(公式表記)。

株式会社アイピアが提供する、建築業(リフォーム・工務店)向けのクラウド管理システムです。顧客・案件・見積・原価・発注・請求・入金・工程・物件までを一元管理でき、着工後の原価や工程もまとめて扱えます。AI機能もベータ版で順次提供されています。料金はライトプランが初期費用120,000円〜(上位プランは要問い合わせ)。リフォームや工務店で、受注から現場、入金までを一本につなげたい会社に向いています。
ここまでの内容を、対象と料金・実績で一覧にまとめておきます。
サービス | 提供会社 | 主な対象 | 料金(公式表記) | 導入実績(公式表記) |
|---|---|---|---|---|
ANDPAD | 株式会社アンドパッド | 建設・建築業全般(中小〜大手) | 要問い合わせ(初期+月額+オプション) | 26万社・69万人超 |
サクミル | 株式会社プレックス | 建設業全般(1〜99名以上) | 月額9,800円〜(税抜)・初期0円/2か月無料 | 3,000社以上 |
コノック | 株式会社CONOC | 工務店・建設会社(一人親方〜中小) | 月額9,800円〜 | 700社突破 |
コンクルーAI | 株式会社コンクルー | 建設業全般(1名〜) | 1名から・要問い合わせ/14日間無料トライアル | 累計3,000社 |
現場Plus | 株式会社ダイテック | 住宅会社・工務店・協力会社 | 60IDで月額10,000円(税別) | 6万社以上 |
アイピア | 株式会社アイピア | 建築業(リフォーム・工務店) | ライトプラン初期120,000円〜 | ― |
料金や実績は各社の公式表記にもとづくものです。プラン内容は変わることがあるため、最新情報は各社でご確認ください。
基本的にはほぼ同じものと考えて差し支えありません。呼び方の違いで、どちらも着工後の現場を回すための仕組みを指します。「施工管理」と名乗るサービスは現場の工程・写真・連絡に寄っていることが多く、「工事管理」と名乗るサービスは原価や請求まで含めて幅広く扱う傾向がありますが、実際の機能はサービスごとに見て判断するのが確実です。
使えるサービスはあります。1名から契約できるものや、数か月の無料トライアルを用意しているものもあるので、まずはお金をかけずに試すことができます。ただし無料・低価格のプランは、使える現場数や機能に制限があったり、あとからデータの持ち出しに手間がかかったりすることもあります。最初から全部を求めず、小さく始めて様子を見るのがおすすめです。
いきなり全部を切り替えようとすると、現場が混乱してかえって続きません。まずは工程・原価・写真のうち、いちばん困っている1領域だけをシステムに移し、残りは今のやり方のまま並行させるのが現実的です。無料トライアルの期間を使って、現場の人がちゃんと入力を続けられるかを見極めてから、範囲を広げていきましょう。
工事管理システムの肝は、工事が始まってからの管理を1か所にまとめることにあります。工程・原価・写真・連絡・請求と、現場の情報が散らばっているほど、確認や転記に時間を取られ、遅れにも気づきにくくなります。
選ぶときは、いきなり機能の多さで比べるのではなく、まず自社が握れていない領域を1つ決めること。そのうえで、現場の人が入力し続けられそうかを、無料トライアルなどで小さく試してみてください。そこさえ乗り越えられれば、着工後のバタバタは着実に軽くなります。自社に合った一つを、焦らず見つけていきましょう。