この記事は約10分で読めます。
.png&w=3840&q=75)
監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
この投稿をシェアする
解体の見積は「坪いくら」の口頭では通らなくなり、アスベスト調査や処分費など載せる項目が年々増えています。この記事では見積ソフト・施工管理アプリを、構造別の積算・解体特有の書類・重機や産廃との連携という解体ならではの4つの視点で比較し、自社に合う1本の選び方をやさしく整理します。
AI搭載
コンクルーAI
中小建設会社のためのAIオールインワン業務管理ツール
顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーAIひとつで完結


解体の見積は、昔のように「坪いくら」の口頭やFAX一枚では、だんだん通らなくなってきましたよね。アスベストの事前調査、マニフェスト、そのつど変わる処分費——見積に載せる項目は年々増えているのに、事務仕事は社長と奥さんの二人でなんとか回している、という解体会社は少なくありません。
そこで施工管理アプリや見積ソフトを調べ始めても、出てくるのは「建設業向けおすすめ◯選」ばかり。肝心の「それ、解体で使えるの?」には、どこも答えてくれません。汎用のツール紹介は内装やリフォームを想定して書かれていることが多く、構造別の積算や産廃まわりといった解体ならではの事情は、たいてい素通りされています。
この記事では、見積ソフト・施工管理アプリを「解体で使えるか」という一点にしぼって整理します。順位づけはしません。解体特有の4つの視点(見積・書類・現場・価格)で各ソフトを見比べ、自社に合う1本を選ぶ手がかりにしてください。見積ソフトをもっと幅広く、タイプ別に見比べたい方は建設業の見積ソフト比較もあわせてどうぞ。
※本記事は公開情報をもとに整理しています。機能・価格・提供範囲等は変更される可能性があるため、最新の正確な情報は各公式HPよりご確認ください(各ソフトの情報は2026年7月時点の公式サイトをもとにしています)。
先に全体像です。解体工事での使いやすさという視点で、見積・施工管理まわりのソフトを整理したのが下の表です。大きくは、見積づくりを速くしたいのか、現場管理までまとめたいのかで、向いているタイプが変わります。
掲載は、各社の公式サイトで解体工事への対応・導入事例・業種記載を確認できたツールにしぼりました(2026年7月24日確認)。並び順は五十音順で、優劣ではありません。
ソフト名 | 解体対応の根拠 | 見積まわり | 現場管理まわり | 料金の目安 | こんな会社に向く |
|---|---|---|---|---|---|
アイピア | 公式コラムで解体向けに自社を紹介 | 見積〜実行予算・原価に強い | 工程・顧客・物件の管理 | 初期費用のあるプラン(要確認) | 見積から原価・請求までまとめたい |
ANDPAD(アンドパッド) | 導入事例に解体カテゴリ・ | 見積・実行予算 | 工程・写真・図面・現場共有が広い | 要問い合わせ | 現場管理を全社・協力会社まで広げたい |
クラフトバンク オフィス | 解体業者の導入事例あり | 見積・原価・請求 | 工程管理 | 要問い合わせ | 専門工事の原価をきちんと管理したい |
コンクルーAI | 業種を限定しない設計 | 見積AIで下書き〜原価・請求 | 工程・日報 | 月9,900円〜(税込10,890円・1名から) | 小規模で見積から事務まで軽く回したい |
サクミル | 対応業種に解体を明記・ | 見積〜原価・請求 | 案件進捗・日報・スケジュール | 月額制(要確認) | 手頃に見積〜現場管理を始めたい |
※「解体対応の根拠」は各社公式サイトの機能・導入事例・コラム等を確認して記載しています(確認日:2026年7月24日)。料金・対応範囲は改定されるため、最新は各公式サイトでご確認ください。

表だけ見ると似て見えますが、大事なのは「解体のどの手間を減らしたいか」です。次の章で、その判断軸を4つに分けて具体的に見ていきます。
汎用の比較記事が答えてくれない「解体で使えるか」は、次の4つに分解すると一気に判断しやすくなります。見積・書類・現場・価格。自社がどこで詰まっているかを思い浮かべながら読んでみてください。

解体の見積は、木造・S造(鉄骨)・RC造で坪単価も手間も大きく変わります。ソフトを見るときは、まず自社の実績にもとづく単価マスタを構造別に組めるか。そして、本体解体とは別に、処分費(がれき類・混合廃棄物など)や付帯工事(内装撤去・アスベスト除去・整地など)を明細で分けて積めるか。この2点が肝です。
多くのソフトは解体専用の単価表を最初から持っているわけではなく、自社の実勢単価を登録して使う形が一般的です。だからこそ「自社のやり方でマスタを作りやすいか」「2件目以降の見積が速くなるか」を、体験版で実際に1件作って確かめるのが確実です。
解体でいちばん独特なのが書類まわりです。建物の解体・改修の前には、石綿(アスベスト)の有無を調べる事前調査が必要とされ、一定規模以上の工事では、その結果を国のシステムに報告することが義務づけられています(出典:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト 、環境省 )。また、解体で出るがれき類などの産業廃棄物は、処理を委託する際にマニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付が求められ、電子版は電子マニフェスト(JWNET)として運用されています(出典:環境省 、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター )。
現時点では、見積・施工管理ソフトの中でこうした調査報告やJWNETまで完結できるものは多くなく、専用のシステムや紙で別に運用している会社が一般的なようです。そのためソフト選びでは、「書類そのものを作れるか」よりも、「調査結果や処分の記録を、案件ごとにひもづけて残せるか(写真やファイルの添付、案件メモ)」を見るほうが現実的です。連携の可否は各ソフトの公式情報でご確認ください。
解体は、バックホウなどの重機やダンプの手配、オペレーターや手元の職人の段取りが、そのまま工期と粗利を左右します。施工管理アプリを見るなら、重機・車両を「誰が・いつ・どの現場で」使うかを共有できるか、工程の変更が関係者にすぐ伝わるか、施工前・中・後の現場写真を案件ごとに残せるか。このあたりが実務のポイントです。
1〜2現場ずつ回すうちは手帳でも足りますが、現場が増えると、配車のダブルブッキングを防ぐだけでも効果を感じやすいところです。現場管理アプリ全般を広く見たい場合は、建設業向けの現場管理アプリ比較もあわせて参考になります。
料金は月額だけを見ると足をすくわれます。初期費用、月額、そして「1人あたり」で増えるID課金——この3つを合わせた総額で比べましょう。解体は繁忙期に応援を入れることも多いので、アカウントを増減しやすいか、協力会社の分をどう数えるかも確認しておくと安心です。費用の相場観をつかんでおきたい方は、施工管理システムの費用相場も目安になります。金額そのものより「浮く手間に見合うか」で判断すると、後悔しにくくなります。
ここからは、建設業向けのソフトを1本ずつ、解体で使う目線で見ていきます。並び順は五十音順で、優劣ではありません。各ソフトの解体対応や料金は、最新の公式情報でご確認ください。

公式サイトによると、アイピアは建築業(リフォーム・工務店)向けのクラウド管理システムで、見積・原価・発注・請求・工程・顧客などを一元管理できます。見積から実行予算・原価管理まで一気通貫でつながるのが持ち味です。解体で使うなら、処分費や付帯工事を内訳で積んで、そのまま原価まで追える点が相性のよいところ。アイピアは公式サイトのコラムで、解体工事向けの見積ソフトとして自社を紹介しています(出典:株式会社アイピア公式コラム アイピア公式サイト )。ただし対応業種の一覧や解体業の導入事例としての掲載は見当たらなかったため、構造別の積算のしやすさなどの詳細は、問い合わせやデモで確認すると安心です。料金は初期費用のかかるプランがあり、詳細は要確認です。

公式サイトによると、ANDPADは施工管理を中心に、見積・原価・工程・写真・図面・チャットまで幅広くカバーする大手クラウドです。多くの職種・規模で使われており、協力会社を含めた現場の情報共有に強みがあります。解体で使うなら、重機や車両の予定共有、工程変更の連絡、現場写真の一元管理といった「現場側」を全社に広げたい会社に向く想定です。導入事例には解体のカテゴリが設けられており、プラント解体や解体工事業の会社の事例が公開されています(出典:ANDPAD導入事例 ANDPAD公式サイト )。料金は要問い合わせです。

公式サイトによると、クラフトバンク オフィスは専門工事会社向けの業務管理システムで、見積・原価・請求・工程などを一元化できます。どんぶり勘定になりがちな原価を見える化する方向の作りで、案件ごとの利益をきちんと管理したい会社と相性がよさそうです。解体で使うなら、処分費や外注(積込・運搬・処分)を含めた原価を残せるかを確認するとよいでしょう。導入事例には解体業者の事例が公開されています(出典:クラフトバンク株式会社 クラフトバンク公式サイト )。料金は要問い合わせです。

私たちが提供している、小規模建設会社向けのオールインワン業務管理クラウドです。見積から原価・工程・請求までを1つにまとめられ、見積AIエージェントが見積の下書きづくりを手伝います。1名から使えるので、社長と事務の二人で回している解体会社でも始めやすい設計です。解体で使うなら、増えがちな見積項目(処分費・付帯・アスベスト関連)を明細で整理し、そのまま原価・請求までつなげたい会社に向きます。業種を限定しない設計のため解体工事でも使えますが、解体専業の導入事例は現時点で公式サイトに掲載していません。料金は1名から・月9,900円〜(税込10,890円)で公式に公開しており、14日間の無料トライアルで試せます(出典:コンクルーAI料金ページ コンクルーAI料金ページ )。

公式サイトによると、サクミルは建設業に特化したクラウドサービスで、見積書作成・原価管理・請求書作成・案件進捗・スケジュール・日報などを手頃な月額制で使えます。まずは低コストで、見積から日々の現場管理まで一通り始めたい会社に向く想定です。解体で使うなら、案件ごとの進捗と原価を軽く回せる点が入り口として便利です。対応業種として解体が明記されており、とび・解体工事業の導入企業の声も公式サイトに掲載されています(出典:サクミル公式 サクミル公式サイト )。最新料金は公式の料金ページでご確認ください。
料金は「初期費用+月額+ID課金」の総額で見る、と先に触れました。もうひとつ大事なのが、いきなり全社・年契約で入れないことです。次の3ステップで進めると、現場に定着しやすく、ムダな出費も防げます。
いきなり年契約を勧められても、まずは1現場での試用をお願いしてみましょう。合わなかったときの損失が小さくて済みます。なお、ソフトによってはIT導入補助金などの対象になる場合があります。対象可否や申請時期は各ソフトの公式情報でご確認ください。
はい、ソフトの利用に許可・登録の種類は関係ありません。どんな立場の会社でも使えます。整理しておくと、税込500万円以上の解体工事を請け負うには建設業許可の「解体工事業」が必要とされ、建設業許可を持たない事業者が500万円未満の解体工事を行う場合は、建設リサイクル法にもとづく「解体工事業者の登録」(工事を行う区域の都道府県知事へ)が必要とされています(出典:国土交通省 国土交通省 )。許可と登録は別の制度ですが、どちらの立場でも見積・施工管理ソフト自体は問題なく使えます。
多くのソフトは、解体専用の単価表を初めから持っているわけではなく、自社の実績単価を登録して「マスタ」として使う形が一般的です。逆にいえば、自社のやり方で単価マスタを組みやすいソフトほど、2件目以降の見積が速くなります。標準的な単価の考え方を知りたい場合は公共工事の積算基準などが参考になりますが、実際の見積は自社の実勢価格で持つのが基本です。単価マスタの作りやすさは、体験版で実際に1件作って確かめるのがおすすめです。
現時点では、見積・施工管理ソフトと電子マニフェスト(JWNET)が直接つながる形は一般的ではなく、JWNETは専用のシステムで、ソフトとは別に運用している会社が多いようです(電子マニフェストは公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営。出典:公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター )。連携の可否は各ソフトで異なるため、必要な場合は公式情報で確認しましょう。ソフト側では「処分の記録やマニフェストの控えを、案件にひもづけて保管できるか」を見ておくと、実務で役立ちます。
解体のソフト選びは、順位ではなく「自社の使い方に合うタイプ」で選ぶのが失敗しないコツです。最後に、タイプ別の入口を1行ずつ。
どのタイプでも、最後の決め手は「1現場で通しで試す」こと。アスベストや産廃の書類、変動する処分費——増え続ける手間を、増員ではなく仕組みで受け止める。その入口として、自社に合う1本を、この4つの視点で選んでみてください。