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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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近年では、これまでは職人の経験や感覚に依存しやすかった業務も、AI(人工知能)やデジタル技術を活用することで、情報整理や業務効率化、品質管理などへ役立てる動きが広がっています。 しかし、「塗装業ではどのようにAIを活用できるのか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、塗装業でAI活用が注目されている背景をはじめ、AI導入のメリットや活用できる業務、導入時の注意点、実際の導入事例まで詳しく解説します。
AI搭載
コンクルーAI
顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーAIひとつで完結

塗装業でAI活用が注目されている背景は、次のとおりです。
塗装業界では、慢性的な人材不足が大きな課題となっています。
塗装業は単に塗装作業を行うだけではなく、現地調査や見積もり作成、顧客対応、工程管理など、多くの業務を並行して進める必要があります。特に中小規模の塗装会社では、限られた人数で幅広い業務に対応しているケースも多く、現場以外の負担も大きくなりやすい特徴があります。
このような状況から、限られた人員でも業務を進めやすい環境づくりの一環として、AIやデジタル技術への関心が高まっています。
塗装業界では、職人の高齢化も深刻化しています。
塗装は、下地の状態や塗料の特性、気温や湿度などを踏まえながら作業を行う必要があり、経験による判断が重要になりやすい仕事です。そのため、長年現場を支えてきた熟練職人の存在は非常に大きいといえます。
しかし現在は、ベテラン職人の高齢化や引退が進む一方で、若年層の塗装業離れも課題となっています。その結果、技術継承への不安も高まっています。
また、塗装作業には高所作業や重い資材の運搬など身体的負担も多く、年齢を重ねるにつれて現場対応が難しくなるケースもあります。
このような背景から、作業支援や技術継承を支える手段として、AIやロボット技術への注目が集まっています。
近年は、顧客が塗装会社に求める内容も大きく変化しています。
以前は、外壁の劣化補修や塗り替えそのものが重視される傾向にありました。しかし現在は、それに加えてデザイン性や提案力、分かりやすい説明、相談のしやすさなど、サービス全体の質を重視する顧客も増えています。
また、インターネットやSNSの普及によって、顧客自身が塗料や施工方法について事前に情報収集を行うケースも増えています。そのため、以前よりも専門的な説明や比較提案を求められる場面が多いです。
こうした変化に対応する必要性が高まっていることも、塗装業でAI活用が注目される背景の一つといえます。
塗装業でAIを活用するメリットは、次のとおりです。
AIを活用することで、塗装業におけるさまざまな業務を効率化できる点がメリットです。
塗装業では、現場作業だけでなく、見積もりや工程確認、顧客管理、報告書作成など、多くの業務を並行して進める必要があります。そのため、担当者ごとの負担が大きくなりやすく、業務が属人化しやすい特徴があります。
AIやデジタル技術を活用することで、情報整理やデータ管理を行いやすくなり、業務フローを見直しやすくなります。
また、紙や口頭で管理していた情報をデータ化することで、確認漏れや伝達ミスを抑えやすくなる点も特徴です。
AIを導入することにより、顧客対応の質を安定できる点もメリットです。
近年は、塗装工事に対して価格だけでなく、説明の分かりやすさや相談のしやすさを重視する顧客も増えています。そのため、施工だけでなく、顧客対応全体の品質も重要視されるようになっています。しかし、前述のとおり問い合わせ内容や顧客ごとの要望は多様化しており、担当者によって説明内容や対応品質に差が出るケースも少なくありません。
AIを活用することで、顧客情報や対応履歴を整理・共有しやすくなり、対応内容を標準化できます。このように、AIは単なる自動化だけでなく、顧客対応全体を整理できる点もメリットといえます。
AIは、品質管理を行いやすくなる点もメリットです。
塗装は、施工環境や作業方法によって仕上がりに差が出やすいため、一定品質を維持することが重要です。しかし、複数の現場を同時に進行している場合は、担当者ごとに管理方法が異なり、施工品質に差が出るケースもあります。
AIやデジタル技術を活用することで、施工記録や作業データを蓄積・共有しやすくなり、品質管理の基準を整理できます。
また、過去の施工情報を振り返りやすくなることで、問題発生時の原因分析や改善にも活用しやすくなる点も特徴です。
塗装業でAIを活用できる業務は、次のとおりです。
AIは、現場調査や外壁の劣化診断に活用されています。
近年は、ドローンや高解像度カメラで撮影した画像をAIが解析し、ひび割れや塗膜の剥がれ、汚れなどを検出する技術が広がっています。従来の現場調査では、担当者が現地へ行き、建物の状態を目視で確認する方法が一般的でした。しかし、建物の規模が大きい場合や高所確認が必要な場合は、調査に時間がかかることもあります。
AIによる画像解析を活用することで、撮影データをもとに劣化箇所を確認しやすくなり、調査記録のデータ化にもつなげられます。また、建物の状態を画像として保存できるため、施工前後の比較や経年変化の管理にも活用されています。
AIは、見積もり作成や施工データの分析にも活用されています。
塗装工事では、建物の大きさや塗料の種類、施工条件など、さまざまな情報を踏まえて見積もりを作成する必要があります。近年は、過去の施工データや価格情報をAIで分析し、見積もり作成時の参考情報として活用するケースが増えてきました。過去の施工履歴や顧客情報をデータベース化することで、案件ごとの情報を整理しやすくなる点も特徴です。
さらに、施工内容や使用塗料、対応履歴などを蓄積することで、今後の提案や業務改善に活用できます。
AIは、工程管理やスケジュール調整にも活用されています。
塗装工事は、天候や現場状況、職人配置、資材搬入など、多くの条件を考慮しながら進める必要があり、工程管理が複雑です。特に屋外塗装では、雨や気温の変化によって施工スケジュールが変わることもあるため、柔軟に調整する必要があります。
そこで、近年はAIを活用し、施工進捗(しんちょく)や過去データを整理しながら、工程管理を行いやすくする取り組みが進められています。また、施工状況をデータとして共有しやすくなることで、現場間や担当者間の情報連携にも活用されています。
AIは、顧客対応や問い合わせ対応にも活用されています。例えば、AIチャットボットを導入することで、営業時間外でも問い合わせ受付を行えます。
塗装工事では、費用や工期、塗料の種類、施工内容など、事前相談の段階でさまざまな質問が発生するケースがあります。そのため、問い合わせ対応に多くの時間を要するケースも珍しくありません。
AIを活用すれば、よくある質問への回答や予約受付などをデジタル化し、問い合わせ内容の整理も可能です。また、対応履歴をデータとして管理しやすくなるため、顧客ごとの相談内容を共有しやすくなる点も特徴です。
AIは、外壁カラーのシミュレーションや完成イメージの提案にも活用されています。
外壁塗装では、完成後のイメージを事前に想像しにくいことから、色選びに悩む顧客も少なくありません。
近年は、住宅写真をもとにAIやVR・AR技術を活用し、塗装後のイメージを視覚的に確認できるサービスが増えています。実際の住宅写真に外壁カラーを反映しながら比較できるため、施工後のイメージ共有が可能です。
AIは、塗装品質の確認や品質管理にも活用できます。
塗装は、施工環境や作業方法によって仕上がりに差が出ることもあるため、品質確認が重要です。近年は、施工データや作業記録をデータとして蓄積し、品質確認や施工管理に活用する取り組みが進められています。
また、過去の施工情報を比較・分析しやすくなることで、施工基準の整理や品質改善に活用できます。
塗装業は、前述のとおり経験や感覚による判断が重要になりやすいため、教育や技術共有が課題になるケースも少なくありません。特に、熟練職人の技術をどのように若手へ共有するかは、大きな課題です。
そこで近年は、VRを活用したトレーニングによって、実際の現場に近い環境を再現しながら作業を学べる取り組みも進められています。また、熟練職人の作業データや施工ノウハウをデジタル化し、教育資料や技術共有に活用するケースも増えています。
これにより、経験や感覚に依存しやすかった技術を整理しやすくなり、教育体制の見直しにも活用されています。
塗装業でAIを導入するときの注意点は、次のとおりです。
AIは業務効率化や情報整理に役立つ一方で、全てを自動で判断できるわけではありません。
特に塗装業は、建物ごとの劣化状況や下地の状態、気温・湿度など、現場ごとに条件が大きく異なる仕事です。また、同じように見える劣化でも、原因や適切な施工方法が異なるケースもあるため、AIだけで正確に判断することが難しい場合もあります。
そのため、AIによる分析結果や提案内容をそのまま採用するのではなく、最終的には現場状況を踏まえて確認・判断することが重要です。
AIはあくまで業務を支援するツールとして活用し、現場経験や専門知識と組み合わせながら運用する必要があります。
AIツールは、導入すればすぐに成果が出るとは限りません。
ツールによっては、初期費用や月額費用が発生するだけでなく、設定作業や操作方法の習得に時間がかかるケースもあります。また、塗装業では現場・営業・事務など担当業務が分かれていることも多く、実際の運用フローに組み込めなければ、十分に活用されないまま終わってしまう場合もあります。
特に、機能が多すぎるツールを導入すると、現場で使いこなせず、かえって管理負担が増えるケースもあります。
そのため、導入前には費用だけでなく、自社の業務規模や利用目的、実際に運用できる体制が整っているかの確認が重要です。
また、いきなり大規模に導入するのではなく、一部業務から試験的に導入し、現場に合うか確認しながら進める方法もあります。
AIを活用する際は、顧客情報や施工データの取り扱いに注意が必要です。
塗装業では、顧客の住所や連絡先、建物写真、施工履歴など、さまざまな情報を日常的に扱います。そのため、特にクラウド型AIツールを利用する場合は、入力したデータがどのように保存・管理されるのかを確認しておく必要があります。
また、現場写真や顧客情報を複数人で共有するケースも多いため、アクセス権限や情報共有ルールを整えておかないと、誤送信や不要な情報共有につながる可能性もあります。
AIを導入する際は利便性だけでなく、どの情報を扱うのか、誰が利用するのかまで含めて運用ルールを整えることが重要です。
塗装業でAIを導入する手順は、次のとおりです。
AI導入を進める際は、まず現在の業務課題を整理することが重要です。
塗装業では、多くの業務が発生します。そのため、どの業務に時間がかかっているのか、どこで情報共有が難しくなっているのかを把握する必要があります。
例えば、見積もり作成に時間を要しているのか、問い合わせ対応の負担が大きいのかによって、導入すべきAIツールや必要な機能は変わります。
そのため、まずは現状の業務フローを整理し、自社がどの部分を改善したいのかを明確にすることが導入の第一歩です。
業務課題を整理したあとは、自社に合ったAIツールを比較・選定します。
AIツールには、画像解析型・チャットボット型・工程管理型など、さまざまな種類があります。そのため、単に機能数だけで判断するのではなく、自社の業務内容や導入目的に合っているかを確認することが重要です。
また、塗装業では現場担当者・営業担当者・事務担当者など、複数の立場で利用するケースもあるため、実際に使いやすいかどうかも重要な判断基準になります。そのため、費用や機能だけでなく、操作性やサポート体制、現場での運用イメージまで含めて比較しながら選定を進めることが大切です。
AIは、最初から全ての業務へ導入するとは限りません。
実際には、問い合わせ対応や見積もり管理など、特定の業務から段階的に導入を進めるケースも多くあります。特に塗装業では、会社ごとに業務フローや現場運営の方法が異なるため、まずは一部業務で試験的に運用し、自社の業務に合うかを確認しながら進める方法が有効です。
試験導入を行うことで、現場で使いやすいか、既存業務と連携しやすいか、情報共有がスムーズに行えるかなどを確認できます。
AIは、導入して終わりではなく、実際の運用状況を確認しながらの改善が重要です。
実際に運用を始めると、「現場では操作しにくい」「入力ルールを統一したほうが良い」といった課題が見つかるケースもあります。また、導入前後で業務時間や情報共有のしやすさ、問い合わせ対応状況などを比較することで、どのような変化があったのかを把握できます。
そのため、導入後も定期的に利用状況を確認し、必要に応じて設定や運用ルールを見直しながら改善を続けていくことが求められます。
塗装業における実際のAIの活用事例を紹介します。
青森県八戸市の塗装会社「株式会社タナカ工業 八戸ペイント」では、AIカラーシミュレーションを活用した提案業務を行っています。
導入のきっかけは、「AIが短時間で外壁塗装のカラーシミュレーションを作成できる」というサービスを知ったことでした。
現在は、現地調査時に撮影した住宅写真を活用し、見積もり提出時に塗装後のイメージをその場で共有する形で運用されています。AIによって完成イメージを素早く提示できるため、顧客とのイメージ共有を行いやすくなったそうです。
また、ドローン診断と組み合わせることで、現状確認から完成イメージ提案までをスムーズに説明できるようになり、最新技術を活用している会社という信頼感にもつながっています。
さらに、以前は外部へ依頼していたシミュレーション作業を社内で対応できるようになったことで、提案スピード向上やコスト削減にも役立っています。
建築用塗料の開発・販売を行う「株式会社アステックペイント」では、生成AIツール「ChatAI」を導入しています。
同社では、「業界で最も生成AI」を活用する会社を方針として掲げ、2024年2月から本格的な運用を開始しました。現在は、メールマガジンやSNS投稿文の作成、文章校正、資料作成、YouTube動画の企画・台本作成、スケジュール管理など、幅広い業務で活用されています。
導入後の社内アンケートでは、利用者の約半数が「1日45分以上の業務時間削減につながった」と回答しており、全社では月間約900時間、年間約10,000時間の業務時間削減につながる試算も出ています。
同社では、生成AIをそのまま使用するのではなく、人によるファクトチェックを前提としながら運用している点も特徴です。
盛岡市を中心に建築塗装を手がける川上塗装工業では、現場情報の整理や品質管理を目的として、建設業向けクラウドサービスを導入しています。
導入前は、現場写真や施工書類、見積情報などが紙や個人パソコンに分散しており、必要な情報を探すのに時間がかかっていたそうです。また、担当者しか状況を把握できない属人化も課題となっていました。
そこで同社では、現場写真や工程情報をデータ化し、社内で共有できる体制を整備し、現場で撮影した工事写真をクラウド上で整理できるようになったことで、報告書作成や施工管理の効率化につながっています。
さらに、施工情報を共有しやすくなったことで、担当者ごとの差を減らし、品質管理や情報共有の改善にも役立てています。