この記事は約8分で読めます。
.png&w=3840&q=75)
監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
この投稿をシェアする
施工管理にはどのような種類があるのか、分野ごとの違いや仕事内容がよく分からないと感じている方も多いのではないでしょうか。 十分に理解しないまま分野を選んでしまうと、後から方向転換が必要になる可能性もあります。 本記事では、施工管理の基本的な考え方から、管理業務の種類、職種ごとの違い、仕事内容、必要な資格、年収の目安まで詳しく解説します。
AI搭載
コンクルーCloud
顧客管理・見積作成・原価管理・電子受発注・請求支払いなど全ての業務がコンクルーCloudひとつで完結

まず、施工管理の基本的な情報を紹介します。
施工管理とは、建設工事を設計図通りに、決められた工期と予算の範囲内で、安全に完成させるために現場全体を管理する仕事です。
建設現場では、多くの作業員や協力会社が関わり、作業内容や工程も複雑に組み合わさっています。そのため、工事を円滑に進めるには、進捗(しんちょく)や品質、安全性、コストなどを総合的に把握し、適切に調整する役割が欠かせません。
施工管理は、現場全体を俯瞰(ふかん)しながら判断や指示を行う立場にあり、工事を成功に導くための司令塔のような役割を担います。
現場監督とは、工事現場に常駐しながら、作業の進行を直接確認し、職人への指示や指導を行う役割です。施工管理が立てた計画に基づいて、現場がスムーズに動くように日々の作業を管理します。
一方で施工管理は、工事全体を俯瞰し、工程や品質、安全性、コストなどを含めて総合的に管理する立場です。現場監督が現場を動かす役割であるのに対し、施工管理は全体をコントロールする役割といえます。
ただし、実際の現場では両者の業務が明確に分かれているわけではありません。工事の進行状況の確認や記録、法令や規定の順守、安全対策のチェック、工程や品質の管理、必要に応じた職人への指導など共通する業務も多くあります。
そのため、施工管理と現場監督は完全に別の職種というよりも、役割の範囲や視点が異なるものとして捉えると理解しやすいでしょう。
施工管理の仕事は、工事を計画通りに進めるために複数の管理業務で構成されています。施工管理の管理業務の種類は、次のとおりです。
それぞれを解説します。
工程管理とは、工期内に建物を完成させるために、作業ごとの日程を調整しながら、全体のスケジュールを管理する業務です。
建設工事は、基礎工事や躯体工事、仕上げ工事など複数の工程で構成されており、それぞれの作業が順序立てて進められます。さらに、多くの職人や協力会社が関わるため、作業のタイミングや人員配置を適切に調整しなければ、効率よく工事を進められません。
そのため、施工管理では工程表を作成し、各工程の進行状況を把握しながら工事全体を管理します。進捗に遅れが生じた場合には、作業手順の見直しや人員の再配置などを行い、スケジュール通りに工事を完了させることが求められます。
品質管理とは、施主が求める建物の品質を確保するために、設計図や仕様書の通りに工事が行われているかを確認する業務です。
建設工事では、各工程ごとに求められる基準が定められており、それらを満たしているかを段階的にチェックすることが重要になります。不備があるまま次の工程に進んでしまうと、完成後の安全性や耐久性に影響を及ぼす可能性があるため、早い段階での確認と是正が欠かせません。
また、品質を客観的に証明するために、工程ごとの写真撮影や施工記録の作成も行います。これらの記録は、後から品質を確認する際の根拠となるだけでなく、トラブル防止や信頼確保の面でも重要な役割を果たします。
安全管理とは、建設現場での事故や災害を防ぐために、安全性の高い作業環境を整える業務です。
建設現場では、高所作業や重機の使用など危険を伴う作業が多く、常に事故のリスクが存在します。そのため、作業手順の確認や設備の点検を徹底し、安全に作業できる環境を維持することが求められます。
具体的には、業務中に感じた危険の兆候であるヒヤリ・ハットの共有や、手すり・足場などの設備点検、始業前の注意喚起などを行い、事故の未然防止に取り組みます。こうした積み重ねによって、安全意識を現場全体に浸透させることが重要です。
原価管理とは、工事にかかる資材費や人件費などのコストを把握し、決められた予算内で工事を完了させることで利益を確保する業務です。
建設工事にはあらかじめ予算が設定されており、その範囲内で工事を進めなければ、利益の減少や赤字につながります。そのため、各工程で発生する費用を細かく把握し、計画と実績の差を確認しながら管理することが求められます。
また、予算との差異が生じた場合には、資材の見直しや人員配置の調整などを行い、コストの最適化を図ることも重要です。品質や安全性を確保しながら適切にコストを管理することが、施工管理における重要な役割の1つです。
施工管理には、担当する工事の分野によって複数の職種が存在します。施工管理の職種は、次のとおりです。
それぞれを分かりやすく解説します。
建築施工管理は、住宅やマンション、オフィスビル、商業施設などの建築物を対象とする職種です。
扱う建物の種類が幅広く、小規模な住宅から大規模な施設までさまざまな現場に関わる点が特徴です。また、多くの関係者が関わる工事であるため、全体を取りまとめる役割としての重要性も高くなります。
建物そのものを形にしていく分野であり、完成後に長く利用される構造物に関わる点も大きな特徴といえるでしょう。
土木施工管理は、道路や橋梁、トンネル、河川などの社会インフラを対象とする職種です。
人々の生活や社会活動を支える基盤となる工事に関わることが多く、公共性が高い点が特徴です。また、屋外での作業が中心となるため、地形や気候といった自然条件の影響を受けやすい分野でもあります。
完成した構造物が長期間にわたって利用されることから、社会的な意義を感じやすい職種といえます。
電気工事施工管理は、建物や施設における電気設備を対象とする職種です。
照明や配線、受変電設備など日常生活や企業活動に欠かせない電気インフラに関わる点が特徴です。建物の機能性や利便性に直結する分野であり、安定した電力供給を支える重要な役割を担います。
また、現代社会において電気の重要性は非常に高く、その影響範囲が広い点も特徴の1つです。
管工事施工管理は、給排水やガス、空調などの設備に関わる配管工事を対象とする職種です。
建物内部の環境を快適に保つために欠かせない分野であり、目に見えにくい部分で建物の機能を支えている点が特徴です。水や空気といった生活に密接に関わる要素を扱うため、建物の利用者に直接影響を与える分野でもあります。
設備の性質上、正確性や安定性が求められる点も大きな特徴といえるでしょう。
電気通信工事施工管理は、インターネット回線や通信設備などを対象とする職種です。
情報通信インフラに関わる分野であり、スマートフォンやインターネットの普及によって重要性が高まっています。通信環境は現代の生活やビジネスに不可欠であるため、その基盤を支える役割を担っています。
比較的新しい分野でもあり、今後の発展が期待されている点も特徴の1つです。
造園施工管理は、公園や庭園、街路樹、外構などの緑地整備を対象とする職種です。
景観の向上や環境づくりに関わる分野であり、自然と調和した空間を創出する役割を担います。住宅周辺から公共空間まで幅広い場所に関わる点が特徴です。
また、近年では環境意識の高まりにより、緑化の重要性が見直されていることもあり、社会的な関心が高まっている分野でもあります。
建設機械施工管理は、ブルドーザーやクレーンなどの建設機械を用いた工事を対象とする職種です。
建設機械は多くの工事現場で使用されるため、特定の分野に限らず幅広い工事に関わる点が特徴です。機械を活用することで効率的な施工を実現する役割を担っています。
また、機械の特性を理解した上で適切に扱う必要があるため、専門性の高い分野でもあります。
施工管理の仕事内容は基本的な管理業務は共通していますが、担当する分野によって具体的な業務内容や求められる知識が異なります。
建築施工管理は、住宅や学校、オフィスビル、商業施設などの建築工事全体を統括する仕事です。
現場では、工期・品質・安全・コストが計画通りに進むよう、協力会社と連携しながら工事全体を管理します。多くの職人や関係者が関わるため、作業の進行状況を把握しながら、適切な指示や調整を行うことが求められます。
また、施主との打ち合わせや各種申請への対応など、現場外との調整業務も重要な役割です。工事全体を円滑に進めるためには、マネジメント力やコミュニケーション力が不可欠といえます。
土木施工管理は、道路や橋梁、トンネル、河川、ダムなどの社会インフラ工事を管理する仕事です。
工事の対象が公共性の高い構造物であるため、工事の進行だけでなく、安全対策や周辺環境への配慮、行政との調整なども重要な業務です。測量結果の確認や地盤の状況把握など、現場条件に応じた対応も求められます。
また、屋外での作業が中心となるため、天候や地形の影響を受けやすく、状況に応じた柔軟な判断力が必要とされる点も特徴です。
設備系施工管理は、電気設備や給排水設備、空調設備、通信設備など建物の機能を支える設備工事を管理する仕事です。
配線や配管のルート、機器の配置などを確認しながら、設計通りに施工が行われているかを管理します。建物の使い勝手や快適性に直結する分野であるため、細部まで正確に施工を進めることが重要です。
また、設備工事は他の工事と並行して進むことが多いため、他分野との調整も重要な役割となります。専門性の高い分野であり、技術的な理解が求められる点も特徴です。
専門工事系施工管理は、造園工事や建設機械を用いた工事など特定分野に特化した工事を管理する仕事です。
造園分野では、植栽や景観整備を通じて空間づくりを行い、周辺環境との調和が求められます。一方、建設機械を扱う分野では、機械の配置や稼働状況を管理しながら、安全かつ効率的に工事を進めることが重要になります。
このように専門工事系は分野ごとの特性が強く、それぞれに応じた知識や対応力が求められる点が特徴です。
施工管理の仕事において重要となるのが「施工管理技士」と呼ばれる国家資格です。建設工事では、一定規模以上の現場に資格保有者の配置が求められるケースもあり、資格の有無が担当できる業務やキャリアに大きく影響します。
ここでは、施工管理技士の基本的な概要や種類、等級ごとの違いについて整理します。
施工管理技士とは、建設工事において施工管理を行うための国家資格です。
建築や土木、設備など分野ごとに資格が分かれており、それぞれの専門領域で施工管理を担う技術者として位置付けられています。
建設現場では、安全性や品質を確保しながら工事を進める必要があるため、専門的な知識や経験が求められます。施工管理技士は、こうした基準を満たした技術者であることを証明する資格であり、建設業界において重要な役割を担っています。
施工管理技士には、担当する工事の分野ごとに複数の種類があります。
主なものとして、建築・土木・電気工事・管工事・電気通信・造園・建設機械の7種類があり、それぞれ専門分野に応じた資格が設けられています。
これらの資格は、扱う工事の内容に対応しているため、どの分野で施工管理に携わるかによって取得すべき資格も異なります。自分が関わりたい工事の種類に合わせて、適切な資格を選択することが重要です。
施工管理技士は、それぞれの分野ごとに1級と2級に分かれており、等級によって担当できる工事の規模や役割が異なります。
2級施工管理技士は、主に中小規模の工事に配置される主任技術者として現場を担当します。比較的小規模な工事を中心に経験を積みながら、実務力を高めていくポジションといえるでしょう。
一方で、1級施工管理技士は、主任技術者に加えて監理技術者としての役割を担うことができます。一定規模以上の工事では監理技術者の配置が求められるため、大規模なプロジェクトに関わるためには1級資格が必要です。
このように、1級は2級に比べて担当できる業務範囲が広く、より大きな責任を伴う立場です。その分、資格取得の難易度も高くなりますが、キャリアアップや収入向上につながる重要な資格といえます。
施工管理士の年収について解説します。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイトのデータによると、施工管理職の平均年収は約633万円とされています。平均年齢は43.5歳であり、月間の平均労働時間は約170時間です。
一方で、国税庁の調査によると、日本の給与所得者全体の平均年収は約460万円となっており、施工管理はこれと比較して約170万円以上高い水準にあることが分かります。
このことから、施工管理は専門性の高さや責任の大きさに応じて、比較的高収入を得やすい職種であるといえるでしょう。
施工管理の年収は、担当する分野や保有資格の種類によって大きく異なります。主な施工管理技士の種類ごとの平均年収は次のとおりです。
このように比較すると、建築施工管理や建設機械施工管理は比較的高い水準にある一方で、造園施工管理はやや低めの傾向が見られます。これは、担当する工事の規模や専門性、責任範囲の違いなどが影響していると考えられます。
ただし、実際の年収は企業規模やプロジェクトの内容、個人の経験によって大きく変動します。そのため、あくまで目安として捉えることが重要です。
施工管理として年収アップを目指す場合は、資格の取得や経験の積み重ねによって担当できる業務の幅を広げていくことが有効な手段といえるでしょう。
自分に合う施工管理の種類の選び方は、次のとおりです。
施工管理の種類を選ぶ際は、将来どのような仕事に携わりたいのかを基準に考えることが重要です。
例えば、大規模な建物の建設に関わりたい場合は建築分野、社会インフラの整備に携わりたい場合は土木分野といったように、目指す方向によって適した分野は変わります。
このように、将来の姿を具体的にイメージし、そこから逆算して必要な分野を選ぶことでキャリアの方向性に一貫性を持たせることができます。
すでに建設業界で経験がある場合は、その延長線上にある分野を選ぶことでスムーズに成長しやすくなります。
現場で培った知識やスキルをそのまま活用できるため、新しい環境でも早く適応しやすいのが特徴です。また、実務経験が評価されやすく、責任のあるポジションを任される機会も増えやすくなります。
確実にキャリアを積み上げていきたい場合には、現状の延長で考えるのが現実的な選択といえるでしょう。
これまでの経験にとらわれず、あえて異なる分野に進むという考え方もあります。
施工管理は分野ごとに専門性が分かれているため、新しい領域に挑戦することでスキルの幅を広げることができます。最初は覚えることが増えるものの、経験を重ねることで対応できる仕事の幅が広がり、将来的な選択肢も増えていきます。
キャリアの可能性を広げたい場合には、長期的な視点で分野を選ぶことも重要です。