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監督者:白澤光純
株式会社コンクルー 代表取締役CEO
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パーティクルボードは、木材チップを高温・高圧で成形して作られる木質ボードで、家具や建材に幅広く使われています。 コストを抑えながら安定した品質を確保できることから、多くの場面で採用されている素材です。 他の木質材料との違いやメリット・デメリットを理解することで、用途に合った製品を選びやすくなります。本記事ではパーティクルボードの特徴や種類、選び方を解説します。
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まず、パーティクルボードの基本構造と特徴を解説します。

パーティクルボードは、木材を細かく砕いた木片やチップに合成樹脂接着剤(ユリア樹脂、メラミン樹脂など)を加え、高温・高圧で成形した木質ボードです。「パーチクルボード」の他、「削片板」「チップボード」と呼ばれる場合もあり、一般的には「PB」の略称で広く知られています。
英語では「Particle board」といい、「particle(粒子)」を圧縮して作ることから、内部まで均質で、反りや割れに強い安定した素材として評価されています。また、製造時には木材端材や廃材を有効活用するため、環境配慮型の建材としても注目されています。
この素材はJIS A 5908によって厚み、強度や耐水性、ホルムアルデヒド放散量などの基準が詳細に規定されており、品質が一定である点から、住宅建材や家具、造作材など幅広い用途で使用されています。
パーティクルボードの主原料は、製材工程で生じるチップや木材端材であり、これらを均一に混合して板状に圧縮することで、内部まで密度の均一な構造を実現します。
木片の大きさや配置は用途に応じて調整され、強度を高めたい場面や反りを抑えたい場面、さらに表面の仕上げ精度を重視する場面など、求められる性能に合わせて最適な状態に仕上げられます。
また、製造過程で再生資源を積極的に活用できる点も、パーティクルボードが環境配慮型の素材として評価される理由の1つです。
パーティクルボードの製造は、木片と樹脂を混合し、マット状に成形した後、高温・高圧プレスによって板材化する工程が中心です。この圧縮工程により、強度や寸法安定性の高いボードが完成します。
成形後は養生によって内部の湿度と温度を調整し、反りや伸縮を抑制します。必要に応じて表面研磨を行うことで、化粧板仕上げや塗装仕上げにも適した平滑性が得られます。
また、耐水性向上樹脂を使用するなど、製造段階で性能をカスタマイズできる点も特徴です。
パーティクルボードには、構造や用途に合わせて複数の種類があります。ここでは代表的な種類とその特徴を解説します。
単層パーティクルボードは、ボード全体をほぼ同じ大きさの木片で構成したシンプルな構造が特徴です。内部まで均質であるため加工がしやすく、製造コストも比較的低いため、軽作業用の造作や簡易的な構造物に利用されます。
同一サイズのチップで作られていることから、ボード内部の強度が均等になり、局所的な弱点が生じにくい点が利点といえます。一方で、密度が高くなりやすく、3層や多層タイプに比べると重量が増す傾向があります。また、表面の滑らかさや仕上げの美しさは多層構造のものより控えめで、意匠性を求める用途にはあまり向きません。
3層パーティクルボードは、表層に細かい木片、内部層に比較的大きな木片を配置した構造が特徴です。最も一般に利用されている形式で、内部の強度と表層の平滑性のバランスが良く、家具や棚板、建具、造作材など幅広い用途に使われています。
表層に細かいチップを用いることで塗装や化粧仕上げとの相性が良く、仕上がりの美しさが求められる場面でも扱いやすい一方、内部に大きめのチップを使用することで材料コストを抑えつつ必要な強度を確保できる構造性を備えています。強度や加工性、コストのバランスが取れており、最も汎用性が高いタイプといえます。
多層パーティクルボードは、複数の層を持たせることで性能を高めたタイプです。表層の平滑性や内部の強度調整が細かく行えるため、高級家具や高耐久建材など、品質要求の高い用途で使用されます。
層を増やすことで密度分布をより精密に制御でき、軽量化しながら強度を確保したり、反りや割れのリスクを軽減したりと、目的に応じた性能調整がしやすい点が特徴です。加工精度が求められる場面や、仕上げ材との密着性を重視する用途にも適しており、意匠性と性能を両立した製品作りに向いています。
木質材料にはパーティクルボードの他にも、合板や無垢材、MDFなどさまざまな種類があります。ここでは次の主要な3つの素材との違いを解説します。

合板(ベニヤ板)は、木材を薄くスライスした単板を繊維方向が直交するように積層し、接着して作られた板材です。交差構造により強度や耐久性が高く、構造用としても広く利用されます。優れた強度を持つ反面、製造工程が複雑なため価格はやや高めで、加工には専門的な技術が必要な場合もあります。
一方、パーティクルボードは木片を圧縮して成形したもので、合板ほどの強度は持ちませんが、価格が比較的安く、表面の平滑性に優れています。化粧仕上げとの相性も良いため、家具の内部材や棚板、造作材など、仕上げ材と組み合わせて使用する用途に適しています。

無垢材は丸太から切り出した天然の木材で、木目や肌触りなど自然素材ならではの風合いが魅力です。木材が持つ調湿作用により、湿度の高い環境では水分を吸収し、乾燥している環境では水分を放出するため、室内の快適性向上にも寄与します。一方で、この調湿性が反りや割れなどの変形を引き起こしやすい点は注意が必要です。また、無垢材は重量があり、加工や取り扱いが難しいことに加え、価格も高価です。
これに対してパーティクルボードは、木片を均一に混合して成形しているため、反りにくく寸法が安定しており、大量生産品との相性が良い素材です。コスト面や加工性でも扱いやすく、家具や建材として広く採用されています。自然素材としての魅力を重視する場合は無垢材、高い寸法安定性や経済性を求める場合はパーティクルボードが適しています。

MDF(中密度繊維板)は、木材を繊維レベルまで細かくし、樹脂と混ぜて成形したボードです。繊維が非常に細かく均質なため、切削加工による断面が滑らかで、塗装仕上げや曲線加工にも適しています。表面の平滑性の高さから、塗装家具や扉材などで多用される素材です。
パーティクルボードはMDFより大きな木片を使用しているため、切断面やエッジの仕上がりはやや粗いですが、その分コストを抑えやすいという利点があります。軽量で価格を重視する場合はパーティクルボード、滑らかな表面や繊細な加工が必要な場合はMDFを選ぶなど、用途によって使い分けることが一般的です。
パーティクルボードは、JIS規格によって種類や性能が細かく分類されています。主な区分は次のとおりです。
それぞれを詳しく解説します。
JISでは、パーティクルボードを次の4種類に大別します。
家具や什器には化粧ボード、建築下地には素地および構造用ボードが使われることが一般的です。
パーティクルボードは、表面・裏面の加工状態によって次のように細分化されます。
表面の仕上がりは、外観性や接着強度、塗装のりなどに影響を与えるため、用途に応じた選定が重要です。
パーティクルボードは曲げ強さの性能によって次のように分類されます。一般に、数値が大きいほど強度が高い区分です。
棚板や床下地など荷重がかかる部位では、この区分の確認が必要です。
JISでは、耐水性能の違いに応じて3種類に分類されています。
耐水区分 | 記号 | 主な用途 |
普通(Uタイプ) | REG(U) | 家具、キャビネットなど |
耐水1(Mタイプ) | MR1(M) | 床・壁などの建築下地、造作材 |
耐水2(Pタイプ) | MR2(P) | 高耐水性が求められる建築下地 |
湿気にさらされる環境ほど、耐水区分の高いボードが選ばれます。
ホルムアルデヒド放散量は、健康や安全性を左右する重要な指標で、次の等級に分類されています。
区分 | 記号 | 放射量(平均値) |
F☆☆☆☆ | F4 | 0.3 mg/L以下(最高基準) |
F☆☆☆ | F3 | 0.5 mg/L以下 |
F☆☆ | F2 | 1.5 mg/L以下 |
F☆☆☆☆は使用量制限がなく、住宅や学校、医療施設などでも広く採用されています。
パーティクルボードの形状や寸法の主な基準は次のとおりです。
それぞれについて解説します。
JISでは、パーティクルボードの形状は直方体とすると規定されています。
これは施工時の寸法精度や組み付け性、仕上がり品質の安定化を目的とした基本形状です。
厚さは、種類によって規格値が異なります。
種類 | 厚さの範囲(mm) |
素地パーティクルボード | 5以上、40以下 |
単板張りパーティクルボード | 5以上、40以下 |
化粧パーティクルボード | 5以上、40以下 |
構造用パーティクルボード | 9(規定値) |
一般用のパーティクルボードは5〜40mmの幅広い厚さに対応しており、家具や造作材、床下地など多様な用途に合わせた選択が可能です。
一方、構造用パーティクルボードは厚さ9mmが規定値とされ、構造用途に必要な強度性能を満たすことを目的としています。
また、化粧パーティクルボードの場合、厚さは基材の厚さに化粧層(シートやオーバーレイなど)の厚さを加えたものと定義されます。
寸法の範囲は、次のとおり定められています。
種類 | 幅の範囲(mm) | 長さの範囲(mm) |
素地パーティクルボード | 315以上、2100以下 | 450以上、6100以下 |
単板張りパーティクルボード | 315以上、2100以下 | 450以上、6100以下 |
化粧パーティクルボード | 315以上、2100以下 | 450以上、6100以下 |
構造用パーティクルボード | 315以上、2100以下 | 450以上、6100以下 |
従来の「サブロク(910×1820mm)」「シハチ(1210×2420mm)」といった標準サイズに加え、近年では施工性やデザイン性へのニーズ拡大から特殊寸法の製造も可能となり、幅×長さの自由度が広がっています。
JISは「特に要求がある場合には範囲を超えても良い」としており、注文品として特寸サイズを指定することも認められています。
寸法精度に関しては、厚さや幅、長さ、直角度に許容差が設けられており、無研磨品では厚さの誤差が約±1.0〜±1.5mm、研磨品では±0.3mm程度と、仕上げの有無によって基準が異なります。
化粧パーティクルボードの厚さ許容差は約±0.5〜±0.6mmです。幅と長さはいずれも±3mm以内、直角度は測定法に応じて2〜3mm以内に収める必要があります。
これらの許容差は製造誤差の範囲を定めたもので、規格値を満たすことで施工時の収まりを安定させられます。
パーティクルボードには、価格面から環境面までさまざまな利点があります。主なメリットは次のとおりです。
それぞれを詳しく解説します。
パーティクルボードは、木材の端材やチップを原材料として活用しているため、生産コストを抑えられる点が大きな特徴です。
大量生産に向いており、安定した価格で供給できるため、家具や内装材として広く採用されています。
予算を抑えながら一定の品質を確保したい場合に適した素材です。
パーティクルボードは、木片を均一に混合して成形しているため、湿度変化による反りや割れが発生しにくい素材です。
無垢材のような天然木特有の変形が起こりにくく、寸法が安定しやすい点が特徴です。
長期間同じ状態を保ちやすいため、棚板や家具の内部構造に適しています。
環境に配慮できる点もパーティクルボードの大きな特徴です。
製材工程で生じる端材や廃材を原材料として再利用しているため、森林資源への負担を抑えながら木材資源を有効活用できます。
さらに、使用済みのパーティクルボードを再び木片としてリサイクルし、再度原料として利用できる循環性の高さも評価されています。
パーティクルボードは、内部に木片が密に詰まった構造をしているため、一定の遮音性と断熱性を備えています。音を吸収しやすく、軽量素材に比べて室内の反響を抑えられる点が特徴です。
また、温度変化を伝えにくい性質があり、壁材や床下地に使用することで室内環境の快適性を高められます。住宅やオフィスの内装材として、静音性や省エネ性の向上に役立つ素材です。
パーティクルボードは表面が平滑で均質なため、塗装や化粧板貼りなどの仕上げがしやすい素材です。節や木目のクセがなく、仕上がりのばらつきが少ない点が特徴です。
また、切断や穴あけなどの加工も容易で、現場での調整がスムーズに行えます。家具や什器など、均質性と加工性が求められる用途に適しています。
パーティクルボードには多くの利点がありますが、使用環境によっては注意すべき点もあります。主なデメリットは次のとおりです。
それぞれを詳しく解説します。
パーティクルボードは木片を樹脂で固めた素材なので、水分を吸収すると膨張や変形が起きやすいです。
特に側面から水を吸いやすく、長時間湿気の多い環境に置くと劣化が進みます。
水回りで使用する場合は、耐水タイプを選ぶことが重要です。
木片を圧縮して成形している構造上、無垢材や合板に比べて釘やネジの保持力が弱い点も、パーティクルボードのデメリットです。繰り返しの抜き差しで穴が広がりやすく、固定力が低下する場合があります。
耐久性が必要な部分では、「パーティクルボードビス」などの補強材の使用や金具の選定が重要です。
棚板などで長期間荷重がかかると、じわじわとたわみが発生することがあります。
特に薄いボードや長さのある板は変形しやすく、使用場所を選ぶ必要があります。
荷重が想定される場所では、板厚を増やすか支持部材を追加する方法が有効です。
パーティクルボードは、合板やMDFのような均質な強度は持っていません。衝撃に弱く、角の欠けやすさもデメリットの1つです。
取り扱いの際は、落下やぶつけによる損傷を避ける工夫が求められます。
また、パーティクルボードを構造材として使用することは適していません。
パーティクルボードの主な利用シーンは次のとおりです。
それぞれについて解説します。
パーティクルボードは寸法の安定性と平滑性に優れており、床仕上げ材の下地として広く用いられています。
広い面積に敷きやすく、施工後のフローリングやクッションフロアとの密着性も高いため、住宅・集合住宅ともに採用例が多い素材です。
耐水タイプを選ぶことで湿気の多い場所でも性能を維持しやすく、二重床システムでは遮音性の向上にも寄与します。厚みのあるボードは床鳴りの防止や歩行感の向上にも効果があります。
均質な材質は壁や天井の下地材としても適しており、フラットな面を作りやすい点が大きな利点です。
断熱性や吸音性にも優れているため、音の響きを抑えたい空間や室内環境を整えたい場面で利用されます。
規格サイズや厚さの選択肢が多く、内張り材としては10〜12mmが一般的です。パーティクルボード同士を確実に連結できるよう、さねはぎ加工が施された製品が用いられることもあります。
パーティクルボードは表面が平滑で加工性が高く、大量生産に向いた素材であることから、家具や収納棚の内部材として広く利用されています。切断や穴あけなどの加工後に反りや割れが生じにくく、組み立て式家具や収納家具との相性も良い素材です。化粧板やメラミン仕上げとの密着性も高いため、造作家具、カウンター天板、ドアの芯材などにも採用されています。
ただし、水分には弱いため水回りの家具には不向きで、重い荷物を長期間載せる用途でも注意が必要です。それでもコストを抑えながら安定した品質を確保できる点から、日常使いの家具や室内造作材として特に重宝されています。
パーティクルボードは軽量で加工しやすい特性から、店舗什器や展示台にも採用されています。
形状の自由度が高く、店舗デザインに合わせた造作が可能です。表面の仕上げもしやすいため、ディスプレイ用途として見栄えを整えやすい点もメリットです。
パーティクルボードは価格が手頃で入手しやすく、加工が容易であるため、工事現場では仮設材や養生材としても多用されています。仮囲いや作業台の天板、通路の養生板、一時的な間仕切りなど、現場での急なニーズにも対応しやすい点が評価されています。
密度が高いことから一定の遮音性能を持ち、簡易的な防音材としても利用可能です。石膏ボードや吸音材と組み合わせればさらに高い遮音や吸音効果が得られ、集合住宅の床下地や壁の防音対策に採用されることもあります。
ただし、屋外での長期使用や湿気を伴う環境では性能が低下しやすいため注意が必要です。
パーティクルボードは遮音性があり、品質も安定していることから、スピーカーキャビネット用の素材としても利用されています。
コストを抑えながら音の響きを適度に抑制できるため、メーカーによる製品の他、自作スピーカーの材料としても人気があります。加工しやすく形状を調整しやすい点も、音響用途で選ばれる理由です。
パーティクルボードは、用途や環境に合わせて最適な種類を選ぶことで性能を十分に発揮します。選定時に確認すべき主なポイントは次のとおりです。
それぞれを詳しく解説します。
パーティクルボードは使用場所によって適した厚みが大きく異なります。棚板や什器の構造材など荷重がかかる用途では、18mm以上の厚さが推奨され、たわみの防止にも効果があります。
床下地のように広い面積を支える場合も、十分な厚みを選ぶことで耐久性が向上します。
サイズ選びも重要で、施工範囲に合った寸法を選ぶと加工の手間が減り、大判サイズを利用すれば継ぎ目を少なくでき、仕上がりの見た目も整います。必要な厚みとサイズを事前に把握しておくことで、施工効率を高められます。
湿気の多い場所で使用する場合は、耐水タイプ(MR1・MR2など)を選ぶことで、膨張や劣化を防げます。パーティクルボードは側面から水を吸収しやすく、洗面所や脱衣所、キッチン周辺では一般用のボードでは膨れや反りが発生しやすいです。
耐水タイプは通常品より価格が上がりますが、使用環境に適した性能を確保でき、結果として長期的なコスト削減につながります。
パーティクルボードは強度区分(8・13・18・30-15など)が規定されており、用途に応じた選択が重要です。重い物を載せる棚板や長尺の下地材では、規格値の高いタイプを選ぶことでたわみを防止できます。
また、単層や3層、多層などの層構造や密度も強度に影響します。意匠性を重視する家具には3層や多層タイプが適しており、強度を必要とする場合は基材の構造を確認することが大切です。使用場所と求める性能に合った仕様かどうか、事前にカタログや規格を確認しましょう。
室内で使用する際には、ホルムアルデヒド放散量を示す等級の確認が欠かせません。最も厳しい基準の「F☆☆☆☆」は使用制限がなく、住宅や学校、病院、子どもが多く集まる施設でも安全に利用できます。
等級は製品のラベルやカタログに明記されており、特に健康面のリスクを抑えたい場合は必ず確認しておきたいポイントです。放散量が少ないものほど空間環境に優しく、快適な住空間づくりに適しています。
パーティクルボードの価格は、種類やサイズ、厚み、性能によって大きく変わります。一般的な製品は1枚当たり数百円〜数千円が目安で、厚みが増えるほど高くなり、大判や高密度タイプは割高です。ホームセンターでも購入しやすく、DIY用途にも用いられます。
例として、F☆☆☆☆で未研磨タイプの場合、厚さ20mmは小サイズで約2,500〜3,000円、大サイズで6,000〜7,000円が相場です。店舗によって取り扱い寸法が異なり、カットサービスを利用できることもあります。また、耐水タイプなどの高性能品は価格が上がるため、用途に合わせて選ぶことが重要です。
パーティクルボードは国内外で多くのメーカーが製造しており、製品ごとに品質や性能、ラインアップが異なります。日本の代表的な5社は次のとおりです。
それぞれのメーカーの特徴を紹介します。
日本ノボパン工業は、20年以上にわたりパーティクルボード業界でシェアNo.1を維持する国内最大規模のメーカーです。年間生産量は1,800万m²を超え、ドイツやイタリアの先進設備を導入したフルオートメーション生産体制により、安定した品質と大量供給を両立しています。
製品は床下地材用、壁下地材用、家具や木工用など多岐にわたり、厚さは9mmから25mmまで幅広く展開しています。曲げ強さは8・13・18タイプをラインアップし、耐水性も「普通(U)」「耐水1(M)」「耐水2(P)」の3区分をそろえています。
株式会社イワクラは、日本で最初にパーティクルボードを製造したメーカーとして知られ、「イワクラホモゲン」シリーズで高い評価を得ています。リサイクル推進功労者表彰で内閣総理大臣賞を受賞するなど、環境配慮型の取り組みでも実績があります。
低圧メラミン化粧ボードや建築用下地材、MDFなど多様なラインアップを持ち、厚さも8mmから30mmまで豊富に展開しています。グリーン購入法の特定調達品目にも認定されており、公共工事や商業施設でも採用される信頼性の高いメーカーです。
大建工業は建材分野で大手のメーカーで、パーティクルボードにおいても耐水性、耐久性、低ホルムアルデヒド仕様など、性能別のラインアップを数多く取り扱っています。建築下地から家具内部材まで幅広い用途に対応できる製品がそろっており、住宅建設やリフォーム現場での採用例も多いメーカーです。
安定した品質と供給力、全国に広がる販売網により、一般ユーザーやプロ施工者の双方から支持されています。
住友林業クレストは、木質建材に強いメーカーとして知られ、家具向けや建築内装向けのパーティクルボードを幅広く製造しています。木質素材の加工技術に優れており、化粧板や造作材との組み合わせを前提とした用途で多く採用されています。
住宅設備の製造で培った品質管理体制により、均一性の高い製品を安定して供給している点も特長です。
永大産業(EIDAI)は建材総合メーカーとして広く知られ、パーティクルボード分野でも建築用ボードから化粧パーティクルボードまで多彩な製品を展開しています。「Re born」を理念に掲げ、環境配慮型の製品作りにも力を入れています。
代表製品の「セラクイック」シリーズは、耐久性と意匠性を兼ね備えた化粧パーティクルボードとして家具や建具、造作材に幅広く使用されています。厚さは20mmや25mmを中心に、耐水性は「耐水1(M)」に対応し、品質が安定している点が評価されています。